編集後記
昨年後半から色々な「虚」が新聞紙上を賑わしています。「虚」とは「中が空になっている所,うつろ」と辞書では説明されています。これまで「虚」が肯定されたことは決してないのですが,無くなることもありませんでした。「虚」のほほえみは人間にとって阿片のようなものかもしれません。「虚」の定義はといった禅問答はともかくとして,特に研究に携わる立場としてこれに魅入られる事は許されることではありません。公害問題から環境問題へ研究所が扱う範囲は大きく,複雑になって来ましたが,真実を真実としてとらえ,真理を探究するという絶対的使命に変わりはありません。また,将来により良い環境を残すことも大きな使命です。
したがって,これからも「虚」を廃し,襟を正して清廉までに清廉な姿勢を貫く必要性を眼前で乱舞する「虚」に感じています。
(M.M.)
目次
- 環境と脳の相互作用巻頭言
- 循環型社会の形成に向けた研究の取組についてシリーズ政策対応型調査・研究:「循環型社会形成推進・廃棄物管理に関する調査・研究」から
- 循環型社会の同床異夢:リサイクル社会から持続可能な社会まで環境問題基礎知識
- 沖縄で微粒子を測る研究ノート
- 気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)及び京都議定書第1回締約国会合(COP/MOP1)への参画(11/28−12/9 於:モントリオール)
- 平成18年度国立環境研究所予算案の概要について
- 平成18年度の地方公共団体環境研究機関と国立環境研究所との共同研究課題について
- 新刊紹介
- 表彰・人事異動
- 国立環境研究所ニュース24巻6号