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NIES Annual Report 2005 AE-11-2005(平成18年2月発行)

 本英文年報は海外の研究者や行政担当者などに国立環境研究所の調査・研究の現状を紹介することを目的として,年1回発行しています。研究所の6つの重点特別研究プロジェクト,各研究領域,政策対応研究センターのほか知的基盤ラボラトリー,地球環境研究センター,環境情報センター各ユニットの調査研究および研究所の組織や予算などの概要が英文でコンパクトに紹介されています。調査研究の紹介は羅列的なものとせず,本年度の特筆すべき成果を重点的に記載するよう留意し,カラーの写真や図版を多用することで,読み易さにも配慮して編集しています。また,巻末の印刷発表リストなどは研究所の活動を知る上で基本となる情報です。例年,海外の研究所には配布しているほか,海外からの見学者にも手渡して研究所の紹介によく活用されています。本年度版もこれまで以上に広く活用されることを強く願っています。

(編集委員会英文年報班主査 青木康展)

国立環境研究所特別研究報告 SR-63-2005(平成17年10月発行)
「アレルギー反応を指標とした化学物質のリスク評価と毒性メカニズムの解明に関する研究-化学物質のヒトへの新たなリスクの提言と激増するアトピー疾患の抑圧に向けて-(特別研究)」(平成14~16年度)

 本研究は,化学物質が近年急増しつつあるアレルギー疾患に及ぼす影響を明らかにすることを目的としました。結果として,(1)アレルギー性喘息を増悪させるディーゼル排気微粒子の主成分が,粒子ではなく,脂溶性化学物質であること,(2)ディーゼル排気微粒子に含まれるキノン系化合物もアレルギー増悪影響を発揮すること,(3)フタル酸エステルがアトピー性皮膚炎モデルに対し増悪効果を発揮すること,(4)これに関し認められる量-反応関係は,環境ホルモン作用でしばしば観察されるパターンをとること,(5)ダニアレルゲン誘発アトピー性皮膚炎モデルは,化学物質のアレルギー増悪作用を検討する「in vivoスクリーニングモデル」として非常に有用であること,等が明らかになりました。環境化学物質は日毎に増加しつつあり,その健康影響を速やかに明らかにする必要があります。今回開発した「in vivoスクリーニングモデル」を活用し,より多くの環境化学物質のアレルギー増悪影響を検討することは,今後の重要な課題であろうと考えられます。

(環境健康研究領域 高野裕久)

国立環境研究所特別研究報告 SR-64-2005(平成17年12月発行)
「中国における都市大気汚染による健康影響と予防対策に関する国際共同研究(特別研究)」(平成12~16年度)

 この報告書は,平成12年度から16年度にわたって中国東方地方の3都市で実施した調査研究の成果をまとめたものです。地域暖房の石炭燃焼による大気汚染に,自動車や工場からの大気汚染が加わっているため,大気中微小粒子濃度の測定と児童の呼吸機能への影響を焦点を当てました。一般住宅の室内や住民の個人曝露濃度の測定により,屋外同様に高い濃度に曝露している実態や,粒子中のNPAH(ニトロ多環芳香族炭化水素)の分析結果など新しい調査結果を報告しています。健康影響については,わずかではありますが児童の肺呼吸機能値の低下を確認しました。中国では今後も自動車の急増が見込まれ,都市の適切な大気汚染対策が求められますが,本報告がその一助になれば幸いです。

(環境健康研究領域 田村憲治

国立環境研究所研究報告 R-190-2005(平成17年12月発行)
「Experiences of Japanese Landscapes」

 本報告書は,2004年までに筆者の研究室に滞在した外国人訪問者の日本の風景の印象を集め,取りまとめたものです。日本政府は2004年12月に風景計画に関する初めての法律を制定しました。以降,多様な分野で,風景に対する人々の関心が高まりつつあります。しかしながら多くの研究者は風景という現象すら明確に定義できない状態です。このような学問の発達の遅れは世界でも共通の課題です。このような学問が発達するには,多くの識者の意見から学ぶよりありません。筆者は前の研究報告R-185で1900年までに来日した外国人旅行者による日本の風景評価をまとめました。この経験から,今まで受け入れた多くの外国人の風景研究者とその家族から,現在の日本の風景について印象を聞き,日本の風景の課題を明らかにする必要があることが分かりました。この報告書は彼らの意見を紹介し,これからの風景評価研究の方向を見定める為のものであります(経常研究2001-2005年度)。

(社会環境システム研究領域 青木陽二)

「環境儀」No.19 最先端の気候モデルで予測する「地球温暖化」(平成18年1月発行)

 地球温暖化は人類が直面する深刻な環境問題のひとつです。環境儀19号では,最先端の気候モデルを用いた地球温暖化研究を紹介しています。近年の気温上昇が人間活動によるものかあるいは自然変動によるものかを調べた結果,人類が排出した温室効果ガスが原因であることが強く示唆されました。さらに,今後100年間の気候変動を予測した実験では,100年後の全地球平均気温は3~4℃上昇し,日本の真夏日は約70日も増加するという結果が得られました。豪雨の日数も大幅に増加すると予測されています。これらの成果を導き出したコンピュータによるシミュレーションが分かりやすく解説されています。本号を通して,地球温暖化に対する正しい危機感(担当研究者の弁)を持っていただければと思います。

(「環境儀」第19号ワーキンググループリーダー 横内陽子)