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国立環境研究所年報 平成10 年度 A- 24- '99 (平成11 年8 月発行)

  国立環境研究所の平成10 年度の活動状況を総括的に紹介したものである。プロジェクト研究を担当する総合研究部門と基盤研究を実施する基盤研究部門における研究成果及びその発表状況,環境情報センター,地球環境研究センター及び環境研修センターの3 つのセンターの業務の実施状況,研究施設の利用状況等をまとめている。研究活動については,経常研究:136 課題,環境研究総合推進費による研究:地球環境研究12 課題と未来環境創造型基礎研究2 課題,特別研究:9 課題,開発途上国環境技術共同研究:4 課題,重点共同研究:2 課題,革新的環境監視計測技術先導研究1 課題,環境修復技術開発研究1 課題,地球環境モニタリングに関する研究:2 課題,国立機関公害防止等試験研究:4 課題,環境基本計画推進調査費による研究:1 課題,国立機関原子力試験研究費による研究:6 課題,科学技術振興調整費による研究:総合研究7 課題,生活・社会基盤研究6 課題,知的基盤推進制度1 課題,国際研究交流促進3 課題,国際共同研究10 課題,重点基礎研究7 課題と重点研究支援協力員制度2 課題,海洋開発および地球科学技術調査研究促進費による研究:2 課題,災害対策総合推進調整費による研究:1 課題,文部省・科学研究費補助金による研究:56 課題,地方公共団体公害研究機関との共同研究:34 課題と特殊法人等による公募型研究16 課題の,合計325 課題の研究成果が記載されている。

(編集委員会委員長 中杉修身)

国立環境研究所特別研究報告 SR- 27- '99
「ディーゼル排気による慢性呼吸器疾患発症機序の解明とリスク評価に関する研究」(平成5 ~9 年度)(平成11 年3 月発行)

  本報告書では,ディーゼル排気微粒子(DEP )あるいはディーゼル排気(DE )によって主にアレルギー反応に基づく気管支喘息様病態が発現すること,ならびにその発症のメカニズムを実験的に明らかにしたことを述べ,アレルギー性鼻炎の増悪についても記載した。また,肺がんの発生とDEP あるいはDE との関連についても記載した。その他の健康影響として,DE がマウスの精子形成能力を低下させることを記載した。その背景として,DEP 中のダイオキシン類の濃度,Ah 受容体のリガンドである多環芳香族炭化水素類の濃度,およびDEP 中の重金属類の測定結果も記載した。さらに,DEP が食物に対する免疫寛容を阻害すること,すなわちアトピー性皮膚炎などを増強する可能性があることや自己免疫疾患としての関節炎を悪化させること等についても記載した。最後に,ヒトがどの程度のSPM に暴露されているのかという,個人暴露量の推定に関する調査からヒトは屋外SPM の5 ~7 割を吸入していること,ならびに屋外濃度と個人暴露量との間の相関性をみるとPM2.5 の場合が圧倒的に高い相関性がみとめられ,PM2.5 汚染がヒトの健康に最も重要である可能性を示す結果を記載した。

(現青森県立保健大学 嵯峨井 勝)

国立環境研究所特別研究報告 SR- 28- '99
「廃棄物埋立処分に起因する有害物質暴露量の評価手法に関する研究」(平成6 ~9 年度)(平成11 年3 月発行)

  埋立処分地からの浸出水等の水を経由した環境への負荷,有害性のある揮発性成分の大気を経由した環境に対する負荷,及びその影響を評価するために行われた研究結果についてまとめてある。 埋立処分に起因する有害物質のリスクについて検討したもので,400 種類以上の化合物を対象に行った浸出水の分析結果,発生ガス中の揮発性有機化合物の濃度,ダイオキシン類の埋立処分場からの負荷量など,我が国における埋立処分から排出される化学物質の概要を把握することができる。浸出水中の化学物質で濃度の高い物質は,1 )低分子の脂肪酸 2 )ビスフェノールA を含むフェノール類 3 )リン酸エステル類 4 )フタル酸エステル類5 )芳香族アミン類 6 )ジオキサンなどであること,浸出水,発生ガスの排出よるダイオキシン類の負荷量はほかの発生源と比較して小さいことなどが示されている。 また,発光細菌を用いた簡便な一般毒性と変異原性試験法の開発と浸出水への応用について興味深い結果が述べられている。

(化学環境部 白石寛明)

国立環境研究所特別研究報告 SR- - 29- '99
「化学物質の生態系影響評価のためのバイオモニタリング手法の開発に関する研究」(平成7 ~9 年度)(平成11 年3 月発行)

 化学物質の生態影響が危惧される中,あらかじめ決められた物質の環境試料中の濃度を測定する化学分析モニタリングに対して,生物モニタリングはあらゆる化学物質の有害性を総合的に把握できる点でますますその重要度が増している。本特別研究では現在までに開発されていたアッセイ手法の改良だけでなく,新たな手法を含めて有害化学物質の生態系影響評価に対応したモニタリング手法の開発を行った。開発に当たっては実用化を念頭に置き,河川近くに実験施設を設置し実際の河川水の汚染実態を反映できる手法の開発を行った。このような地域を限定しての経時的監視手法(リアルタイムで生物反応をとらえる早期警戒モニタリングもその1 つ)と同時に,汚染地域を面的に特定するための手法の開発も行った。本報告書では,このような種々の手法の検討結果を紹介しながら,我が国における生物モニタリングのあり方についての提言も行った。

(生物圏環境部 畠山成久)

国立環境研究所研究報告 R- 147- '99
「21 世紀における環境研究の展望-環境庁国立環境研究所公開シンポジウム'99 」(平成11 年6 月発行)

  国立環境研究所が,前身の国立公害研究所として設立されてから,今年でちょうど25 年(四半世紀)が経過した。時代は21 世紀を間近に控え,将来にわたる持続的発展のため,循環と共生を基調とする社会の構築が強く求められている中,環境研究は,その実現に向けて,科学的知見,技術的基盤を提供すべく大きな役割を担っている。一方,研究所を取り巻く環境も,独立行政法人化の流れの中で,大きな転換期を迎えようとしている。社会ニーズに対応した研究や,創造的,先進的な研究等を推進し,目に見える研究成果を国内外に広く普及していくことが強く期待されている。このような状況の中,広く国民を対象に,ホットな研究成果をアピールする機会として,「21 世紀における環境研究のテーマの展望」をテーマに「公開シンポジウム」を東京で開催した。参加者は昨年を大幅に上回ったように,国民の環境問題への関心の高さがうかがえた。本報告書は,そのシンポジウムの要旨集という位置づけであり,3 テーマ6 名の口頭発表及び20 件のポスター発表の概要が収録されているほか,全研究スタッフの氏名,主要研究課題及び電話番号・E-mail アドレスを掲載している。

(研究企画官 須藤欣一)

国立環境研究所研究報告 R- - 149- '99
「平成10 年度ILAS プロジェクト報告」(平成11 年10 月発行)

  改良型大気周縁赤外分光計ILAS は,高緯度地域成層圏のオゾン層を監視・研究するために環境庁が開発した衛星搭載大気センサーである。ILAS の搭載衛星ADEOS は,1996 年8 月17 日に宇宙開発事業団(NASDA )のH -II ロケットにより種子島宇宙センターから打ち上げられ,1997 年6 月30 日に衛星の電源系統の異常により運用を停止した。ILAS より貴重なデータが取得され,国内外の研究機関の協力を得た大規模な検証実験も行われ,データベースが構築された。これらのデータは当所において処理,提供されている。これに平行してデータ質の評価,各種検証データによる検証解析が進められ,それらの検討結果に基づく処理アルゴリズムの改訂とデータの再処理が継続して行われている。本報告書は,ILAS プロジェクトにおいて取得,処理されたオゾンその他の観測データおよび検証実験データの解析,及び検証・比較の結果,ILAS データ気候値,プロジェクト関連成果出版リスト等について,利用者へ基礎情報を提供することを目的として取りまとめたものである。

(大気圏環境部 笹野泰弘)