第12回研究発表会・施設公開報告
その他の報告
植田 洋匡
環境週間行事の一環として,恒例の国立公害研究所研究発表会,施設公開が6月8,9日実施された。今年は国公研創立15周年に当たるため,特別企画として北野 大博士((財)化学品検査協会・部長)の特別講演「今,地球は—環境問題と化学の役割—」と映画「風の谷のナウシカ」の上映も行われた。研究発表会,特別講演会のプログラムは下記のとおりである。施設公開としては,環境総合解析情報システム,オゾンレーザーレーダー,水生生物実験棟,騒音実験棟,植物実験棟IIの公開が行われた。
環境週間は第1回世界環境会議(1972年)を記念して制定されたが,会議開催の契機となったのは北欧での越境酸性雨問題であった。今,地球環境問題が深刻化し,政府,企業の対応が世間の注目を集めている。一方,従来型の汚染問題も依然として深刻であり,ここ数年は悪化の兆しさえ見られる。このような背景から,国公研の研究の進展と対応が,強い関心を集めているのか,今回,来訪者の人数は急増した。2日間で延べ910名を数えた。自治体の環境保全担当者,研究機関の方々の来訪に加えて,今年は企業からの来訪者の増加が目立った。科学技術情報のセンター化の進む筑波にあって,国公研の研究動向に対する関心の高さと期待を痛感した次第である。
(うえだ ひろまさ,セミナー委員会副委員長,大気環境部大気環境計画研究室長)