平成21年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
企画部研究推進室
地方公共団体環境研究機関等(以下,地環研等)と国立環境研究所(以下,国環研)とが緊密な協力のもと,環境研究をよりいっそう発展させていくことを目標として,平成元年度より,両者の共同研究が実施されています。平成20年度には,28の地環研等と57課題の共同研究が実施され,活発な研究交流を通じて環境研究の活性化に大きな役割を果たしています。平成21年度については,表に示すように,3月10日現在で26の地環研等から54課題の応募が寄せられています。今後も新たな共同研究課題提案があるので,最終的な実施課題数は,さらに増加するものと予想されます。
共同研究の進め方としては,地環研等と国環研の研究者の協議により研究計画を決定し,それに従って,各々の研究所で研究を行います。これに加えて,平成13年度からは,全国環境研協議会からの提言をうけ,国環研と複数の地環研等の研究者が参加する形の研究(C型研究)が実施されています。平成21年度は,代表となる地環研等から提案された6課題のC型研究が実施される見込みです。
平成21年度も,このような共同研究を通じて地環研等および国環研双方の研究者が互いに交流することによって,環境科学研究の発展に寄与できるものと考えています。
平成21年度地方環境研究所等との共同研究応募課題一覧
内訳: 26機関54課題 | 平成21年3月10日現在 |
地環研機関名 | 課題名 | *研究 タイプ |
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北海道環境科学研究センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
ダイオキシン類及びPCBsの発生源解析に関する研究 | B | |
摩周湖の透明度変化に関する物理・化学・生物学的要因解析 | B | |
釧路湿原シラルトロ沼の環境劣化とその原因の究明 | B | |
岩手県環境保健研究センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
宮城県保健環境センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
地球温暖化がもたらす日本沿岸域の水質変化とその適応策に関する研究 | C | |
北東部太平洋側における降水中の鉛同位体比測定によるアジア大陸からの越境大気汚染の調査 | B | |
山形県環境科学研究センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
新潟県保健環境科学研究所 | 新潟県におけるオゾン高濃度現象の解明 | B |
群馬県衛生環境研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
アンチモンを指標とした沿道大気における自動車由来粒子状汚染物質の評価 | B | |
茨城県霞ヶ浦環境科学センター | 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 | B |
千葉県環境研究センター | 沿岸性植物プランクトンの自動画像解析システムの開発研究 | B |
水生生物等を用いた最終処分場浸出水の簡易管理手法の開発 | B | |
植物のオゾン被害とストレス診断に関する研究 | C | |
埼玉県環境科学国際センター | 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 | B |
廃棄物の安定化に着目した品質評価技術の開発 | B | |
埋立地ガスならびに層内保有水を対象とした最終処分場安定化モニタリング | B | |
循環型社会物流システムに適合した最終処分手法の開発 | B | |
(財)東京都環境整備公社 東京都環境科学研究所 |
関東地域における広域大気汚染のモデル研究 | B |
PFOS,PFOAの環境実態把握及び汚染源の推定 | B | |
有機フッ素化合物の環境汚染実態と排出源について | C | |
PCBの迅速測定法に関する研究 | B | |
神奈川県環境科学センター | ブナ林衰退地域における総合植生モニタリング手法の開発 | C |
横浜市環境科学研究所 | 都市部と農村部における河川水のオオミジンコを用いた総合毒性評価に関する研究 | B |
長野県環境保全研究所 | 鉛同位体比測定によるアジア大陸からの越境大気汚染の定量化 | B |
山岳地域における揮発性有機化合物の動態に関する研究 | B | |
環境中のダイオキシン類と関連物質のモニタリングおよび発生源解析に関する研究 | B | |
湖沼における水草帯の保全と復元手法に関する研究 | B | |
都市の温熱環境マップ作成に関する研究 | B | |
In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | |
静岡県環境衛生科学研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
富山県環境科学センター | 富山県における降水中の鉛同位体比に関する研究 | B |
ライダーを用いた黄砂エアロゾル飛来状況に関する研究 | B | |
福井県衛生環境研究センター | 北陸地方における産業廃棄物最終処分場(管理型)の安定化に関する研究 | B |
名古屋市環境科学研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
光化学オキシダントと粒子状物質等の汚染特性解明に関する研究 | C | |
水辺地域の生物の多様性に関する研究 | B | |
京都府保健環境研究所 | 都市大気エアロゾルの発生源寄与解明のためのレセプターモデルの高精度化 | B |
エアロゾル中の微量金属元素濃度比及び鉛同位対比を用いた長距離輸送現象の解析 | B | |
In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | |
大阪府環境農林水産総合研究所 | ライダー観測データを用いた近畿地方の対流圏大気環境の調査 | B |
兵庫県立健康環境科学研究センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
浅海域における干潟・藻場の生態系機能に関する研究 | C | |
鳥取県生活環境部衛生環境研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
福岡県保健環境研究所 | 微細藻類が生産する有毒物質の分析に関する研究 | B |
北九州市環境科学研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
鹿児島県環境保健センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B |
沖縄県衛生環境研究所 | 亜熱帯域島嶼における最終処分場の安定化メカニズム解明に関する研究 | B |
サンゴ礁に対する地球規模及び地域規模ストレスの影響評価 | B | |
微細藻類が生産する有毒物質の分析に関する研究 | B |
*研究タイプ
A型共同研究 : 地環研等の研究者が自治体における国内留学制度を利用し,国環研において原則として1ヵ月以上にわたり共同で研究を実施するもの。
B型共同研究 : 地環研等と国環研の研究者の協議により,共同研究計画を定め,それに従って各々の研究所において研究を実施するもの。
C型共同研究 : 全国環境研協議会からの提言を受けて,国環研と複数の地環研等の研究者が参加して共同研究を実施するもの。
目次
- 環境の研究 —自然・社会との対話—【巻頭言】
- データ空白域での温室効果ガス観測 −中核プロジェクト1 「温室効果ガスの長期的変動のメカニズムとその地域特性の解明」から−【シリーズ重点研究プログラム: 「地球温暖化研究プログラム」 から】
- 陽子移動反応−質量分析計を用いた大気中ホルムアルデヒド濃度の決定【研究ノート】
- 地球温暖化に伴う森林土壌有機炭素の変動を探る【研究ノート】
- 東京湾における調査研究 : 着想,準備から実施に至るまで【調査研究日誌】
- 「国立環境研究所創立35周年記念式典」が開催されました【研究所行事紹介】
- 「第24回全国環境研究所交流シンポジウム」報告【研究所行事紹介】
- 「第28回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告【研究所行事紹介】
- 独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2009 『今そこにあるリスク − 環境リスクの真実を語ろう −』
- 新刊紹介
- 表彰
- 人事異動
- 編集後記
- 国立環境研究所ニュース28巻1号