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研究情報誌「環境儀」を創刊しました

笹野泰弘

 これまで国立環境研究所における研究の成果は,専門の学術雑誌に研究論文として発表したり,あるいは学会等で研究発表をすることにより,専門分野の研究者や研究コミュニティに対して情報の発信を行ってきました。また,研究報告書,資料集,年報などの発行や,公開シンポジウムの開催,ホームページを通して,専門の研究者だけではなく,政策決定者,行政担当者,マスコミ,さらに国民各層に向けて,成果の普及を図ってきたところです。しかしながら,環境問題は今や多くの国民の関心事であり,研究を専門とする機関には,これまで以上にわかりやすい形で,正確な,そして最先端の情報を提供することが求められています。同時に,この4月に新たに発足した独立行政法人として,研究所の研究活動を多くの方々によりよく理解いただくための広報活動に力を入れることも大変重要です。

 このような認識の下に,これらの目的にかなう情報発信形態のひとつとして,新しい出版物の刊行の可能性を探ることとなり,平成12年秋より所内の編集委員会において議論を行い,また,試作版を作成するなどして,検討を進めてきました。この結果,「国立環境研究所の研究情報誌『環境儀』」を発刊することになり,平成13年7月にその創刊号を発行するに至りました。

 「環境儀」の編集方針として,まず,当研究所が実施している研究の中から,重要かつ大いに興味ある成果の得られた研究を選び出し,その研究の背景や成果について最新の情報を広く国民の皆様に,わかりやすく伝えることを目的とすることとしました。特に,その研究を担当した研究者の生の声を伝えることに重点を置くとともに,実験の様子の写真を掲載するなどして,研究成果の提供だけではなく,研究者のパーソナリティ等を通して研究所の研究活動そのものについても,読者に親しみを感じてもらうことを意図します。また,環境問題・環境研究に関心を持つ多くの皆様に読んで頂けるよう,分かりやすい表現を工夫をします。併せて,専門外の研究者や環境行政の担当者,マスコミ関係者等への情報提供の素材となるようにしたいと考えています。印刷物の作成に併せて,インターネットを通してホームページからも閲覧出来るように致します。「環境儀」は,年に3~4号の刊行を目指しています。なお,創刊号では「環境中の『ホルモン様化学物質』の生殖・発生影響に関する研究」との副題で,特別研究の幹事であった米元純三総合研究官にスポットライトを当てた特集記事を組みました。

 ところで,「環境儀」という言葉にはなじみがないことと思います。創刊号に掲載された合志理事長の「発刊に当たって」にありますように,「地球儀が地球上の自分の位置を知るための道具であるように,『環境儀』という命名には,われわれを取り巻く多様な環境問題の中で,われわれは今どこに位置するのか,どこに向かおうとしているのか,それを明確に指し示すしるべとしたいという意図が込められています。『環境儀』に正確な地図・航路を書き込んでいくことが,環境研究に携わる者の任務であると考えています。」というわけで,新しく創った言葉です。

 「環境儀」の創刊に携わったものとして,この「環境儀」が一人でも多くの方の目に触れ,国立環境研究所の研究活動に対してご理解,ご支援を頂く一助となることを願っております。

(ささの やすひろ,編集委員会委員長)

執筆者プロフィール

 大気圏環境研究領域長。成層圏オゾン層変動研究プロジェクトリーダーを併任。10年来,人工衛星からのオゾン層観測プロジェクトにかかわっている。来年のILAS-IIセンサーの打ち上げの成否が大変気にかかるこの頃である。

 「環境儀」は,国立環境研究所のホームページから閲覧できます。また,印刷物をご希望の方(要送料負担)は,環境情報センター研究情報室出版普及係(TEL;0298-50-2343)へお問い合わせ下さい。「国立環境研究所友の会」の会員の方には発行のたびに送らせていただきます。友の会の入会案内等については,国立環境研究所友の会ホームページをご覧下さい。