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公開シンポジウム報告

黒河佳香

 さる7月19日,有楽町の東京国際フォーラム・ホールCにおいて,国立環境研究所公開シンポジウム2001・「環境の世紀の幕開け」が開催された。シンポジウムは,理事長の特別講演で始まり,ひきつづき環境研の研究者6名による研究発表が行われた。またホール・ロビーでは16枚のポスター展示による発表がなされた。

 これまでの過去3回と異なり,今回のシンポジウムでは外部からの招待講演はなく,新たな世紀に新たな研究組織でスタートする研究所の意気込みを100%前面に押し出すことが全体のコンセプトとなった。そのため,シンポジウムの企画段階では,招待講演者の集客力に頼らない形で1500名収容の会場がどの程度に埋まるかについて,不安を感じながらの準備が続けられた。しかしいざフタを開けてみると,応募者数1,705名,参加者数1,202名となり,ダイアン・ダマノスキーさんをはじめ国内外から講演者を招いた昨年のシンポジウムと同じ参加状況であった。

 各講演ごとに設けられた質疑応答の時間には,フロアからの質問・意見が多数寄せられて活気のある意見交換がなされた。ポスターセッションでは,ホールへと向かう踊り場に設けられたスペースに多くの観客がつめかけ,おりしも猛暑の中にあるホールの外気温に負けないくらいの熱気を帯びていた。昼食の時間を含めた1時間50分という枠,およびスペース,いずれも不足ぎみの状況であった。

 私見では,本シンポジウムは回を重ねることにより随所に円滑さが増し,総じてスムーズに進行したと思われる。また当日の参加者から寄せられた感想も,厳しいながらも建設的な内容のものが多いように感じられた。

 講演およびポスターに用いた図表,ならびにアンケートで寄せられた質問に対しての回答は,ホームページ上に掲載されている(国立環境研究所のホームページから閲覧できます)。

(くろかわ よしか,セミナー委員会幹事環境健康研究領域)

プログラム

10:00~10:10 開会挨拶(西岡秀三 理事),来賓挨拶(西野あきら 環境省政務官)
10:10~10:50 理事長講演「国立環境研究所の到達点と今後の目標」(合志陽一 理事長)
10:50~12:10 第1セッション「地球環境をマクロな視点で観る」 司会:今村隆史(成層圏オゾン層変動研究プロジェクト)
① 人工衛星から地球大気環境の変動を探る(笹野泰弘 大気圏環境研究領域長)
② 広大な海洋環境をいかに把握するか(功刀正行 化学環境研究領域)
12:10~14:00 昼食およびポスターセッション(*)
14:00~15:20 第2セッション「車社会の環境リスクを低減する」
司会:小林隆弘(環境健康研究領域)
① ディーゼル排ガスの危険性と汚染の現状を知る(新田裕史 PM2.5・DEP研究プロジェクト)
② 人と環境にやさしい新世紀の交通・物流を考える(森口祐一 PM2.5・DEP研究プロジェクト)
15:20~16:40 第3セッション「循環型社会の実現を目指す」司会:中杉修身(化学物質環境リスク研究センター長)
① 温暖化を防ぐための社会構造の将来について考える(甲斐沼美紀子 社会環境システム研究領域)
② ごみ問題から物質循環のあり方を考える(酒井伸一 廃棄物研究センター長) 16:40~16:45 閉会挨拶(濱田康敬 理事)

(*)ポスターセッション

1.アジア・太平洋地域の環境変化シナリオ
2. 地球温暖化による気候変化と社会変化の総合的解明に向けて
3. 衛星センサーIRASによるオゾン層観測
4. 森の木の多様性をシミュレーションモデルで考える
5. 東アジアにおける水資源問題と流域管理
6. 遺伝子組み換え酵母を用いて内分泌かく乱物質を探る
7. ディーゼル排気はDNAにどの程度の傷をつけるか
8. ディーゼル排気は肺・循環機能を損なうか
9. どちらが環境にやさしいかを考えるワークショップ
10.日本に伝わった景色の見方“八景”
11.海洋性植物プランクトン“円石藻”を用いた地球環境研究
12.夜の地球表面に描かれたアジア地域の経済活動
13.バイオ技術で光化学オキシダントに強い植物を作る
14.環境の世紀のフロンティア:独立行政法人 国立環境研究所
15.わかりやすい環境情報の発信
16.地球環境を診断する