創立20周年記念式典を挙行
公害問題が深刻化していた昭和49年3月,本研究所は国立公害研究所として創設され,平成2年7月に国立環境研究所となり,本年で20周年を迎えた。
これを記念して去る5月26日(木),新緑が濃い本研究所内で記念行事を挙行した。
当日は,衆議院環境委員会及び参議院環境特別委員会の国会議員を始め,関係省庁,筑波研究学園都市や各地の研究機関等から関係者約160名のご出席をいただいた。
大山ホールでの記念式典では,初めに八木橋環境事務次官(浜四津環境庁長官代理)が「新たな時代の環境問題の解決に資するため,大きな研究成果が挙げられることを期待している」旨の式辞を述べられた後,鈴木所長が研究所の今日までの経過を報告するとともに,「職員一同,心を新たに環境問題の解決に向け,全力で取り組む」との決意を表明した。
引き続き,ご来賓の祝辞を頂戴し,参議院環境特別委員会の竹村委員長が「どの研究も結果を出すまでには長い期間が必要である」として今後も予算面等で応援していきたい旨を述べられ,続いて筑波研究学園都市・研究機関等連絡協議会の小林会長(農林水産省食品総合研究所長)が「環境研究所の役割は,東南アジア諸国の急速な経済発展等の状況の中でさらに重くなる」として,産学官の研究機関の誠意ある協力と支援について述べられるとともに,本研究所に対し,環境科学研究のリーダーシップを一層発揮することを期待された。さらに,全国公害研協議会の土屋会長(東京都環境科学研究所長)は「今後とも科学に裏打ちされた施策が必要であり,その役割は重い」とし,各地の公害研究所と本研究所との連携を深めたいと抱負を述べられた。
式典に続いて,正門前の園地に移動して所長,副所長並びにご来賓の方々によるキンモクセイの記念植樹を行った後,屋外特設会場において懇親会が開催され,席上,併せて本研究所のシンボルマークの発表と優秀作品(地球環境研究グループ横田主任研究員)の表彰式が行われた。優秀作品(図)は,職員等の作品40点の中から投票で5点に絞られたものの中から,さらに選考委員会で選ばれたものである。
当日はあいにくの曇天でしたが,心配されていた雨が降らなかったことは何よりも幸運で,各行事はとどこおりなく終了することができた。
終わりに,今回の記念行事に際して,ご来賓の方々にはご多用のところ遠路にもかかわらず多数お運びいただき,また,種々励ましのお言葉を賜ったことを厚く御礼申し上げる。

図案の意味(National Institute for Environmental Studies)

この図はN,I,E,Sの4文字で構成されている。Nで波(大気と水), I で木(生命), E とSで構成されるマル(○)の部分で世界(地球)を表している。
全体として動的なロゴにして,研究所の躍動性を表現しようとした。このロゴが風を切って左方向に進もうとしている動きは,研究における進歩・向上・発展を表そうとしたものである。
目次
- 有限地球観と地球科学
- 20周年記念特別研究発表会報告論評
- 海産円石藻による物質循環と凝結核形成省際基礎研究の紹介
- 地下水中における硝酸性窒素の起源に関する研究プロジェクト研究の紹介
- 故高橋弘氏を偲ぶ
- “Enhanced tolerance to photooxidative stress of transgenic Nicotiana tobacum with high chloroplastic glutathione reductase activity” Mitsuko Aono, Akihiro Kubo, Hikaru Saji, Kiyoshi Tanaka and Noriaki Kondo: Plant and Cell Physiology,34(1),129-135,(1993)論文紹介
- 波照間−地球環境モニタリングステーションにおけるエアロゾルとオゾンの測定研究ノート
- 自由連想法とクラスター分析による水辺に対する住民意識の研究論文紹介
- 新刊・近刊紹介
- 主要人事異動
- 編集後記