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2013年11月22日

マレーシアそしてアジア全域での低炭素社会実現に向けたロードマップと実践

マレーシア工科大学(UTM)との共催イベント(11月15日)

写真:パネルディスカッション


 11月15日(金)には、マレーシア工科大学(UTM)との共催で、「マレーシア及びアジア全域での低炭素社会実現に向けたロードマップと実践」と題するCOP19/CMP9公式サイドイベントを開催しました。

 本サイドイベントでは、環境省環境研究総合推進費戦略的研究プロジェクトS-6のもとでとりまとめた「低炭素アジアに向けた10の方策による温室効果ガス削減可能性」を、S-6研究プロジェクトリーダーである社会環境システム研究センターの甲斐沼美紀子フェローが報告しました。マレーシア工科大学のHo Chin Siong 教授は、国際協力機構/科学技術振興機構「地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)」による「アジア地域の低炭素社会シナリオの開発」のもとで開発した「マレーシア、イスカンダル開発地域の低炭素社会ブループリントとそのロードマップ」の最新成果について報告しました。また、「マレーシア・イスカンダル開発地域の低炭素社会実行計画」を踏まえ、現場における具体的方策をとりまとめた「Iskandar Malaysia: Actions for a Low Carbon Future」をイスカンダル開発庁Maimunah Jaffar計画・コンプライアンス・環境局長が披露しました。さらに、アジア太平洋統合評価モデル(AIM)を用いて、マレーシア・プトラジャヤ地域の2025年低炭素シナリオとそのロードマップをとりまとめた「Towards Putrajaya Green City」を、Dato’ Omairi Bin Hashimプトラジャヤ地域都市計画副部長が紹介しました。

 パネルディスカッションにおいては、AIMを用いた低炭素社会シナリオ分析をもとに、中国・国家発展和改革委員会能源研究所のJiang Kejun博士、インド経営研究大学アーメダバード校(IIMA)のP.R. Shukla教授、マレーシアのHo Chin Siong教授が、2℃目標を実現するために有効となる対策について報告しました。アジア各国が取り組まなければならない課題は多く残されていますが、アジアで低炭素化が実現できるということは、全世界的にも非常に大きな意味を持っていることが議論されました。これらの議論を踏まえ、(公財)地球環境戦略研究機関 西岡秀三・低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)事務局長がアジアにおける低炭素知識を地域で共有していくための研究拠点を設け、アジアの低炭素発展に資する研究、及びその実現に向けた人材育成を推進していくことの必要性について強調しました。