| 新たなる時代に向けて |
| 国公研は平成元年3月15日に15周年を迎えた。環境問題と研究所を取りまく状況も大きく変わろうとしているこの時期に、研究所の各部長に15周年の感慨や将来志向を記して頂いた。 |
| なお、4月1日より松下秀鶴氏,村岡 浩爾氏,横山栄二氏は併任の期間を終えられ、それぞれ本務の専任になられました。 |
満16年以後に向けて
郡司 進
国立公害研究所が「我が国における環境汚染研究の中心的役割をになう機関」(設立準備委員会報告書)として昭和49年3月に設立され、満15年の足跡を刻んだ。苦労話が語り草と化した研究基盤作りの創設期、有為な人材確保と実験、試行の研究体制整備期を経て、今日、個性豊かな優れた研究者を数多く擁し、英知を結集して行う特別課題プロジェクト研究を主体に、多くの研究成果を生み出していることは、喜ばしい限りである。
研究成果の一例として特許の申請件数を見ると、過去3年に集中し、昭和63年には10件を数える。
しかし他方、最近開催された研究発表会での地方公害研究所等による研究発表テーマによれば、実に様々な地域環境問題が取りあげられており、しかも、問題の解明に至っていないものもあるように見受けられる。当研究所の先導的、中心的役割に期待を寄せる向きも少なくないのではなかろうか。
さて、創設期には念頭に具体的な姿で浮ばなかった、新たな環境問題が、今日、大きくクローズアップされている。地球規模での様々な環境変化の影響が、将来の人類の生存を脅かすのではないか、と心配されている。それらの現象の早急な解明を研究者に求められている。
当研究所においても、折しも満16年となる平成元年度から、研究に本格的に取り組む予定にしているが、内外からの期待がことのほか大きい。それらの起因や自然の仕組みを究明するためには、膨大な科学的データの集積と長い時間と費用等を必要とすることはいうまでもない。とはいいつつ、大きな制約を有しての中で、やがて21世紀を迎えるこれからの15年に向けて、長期的視点に立って新たな環境破壊の未然防止のため研究を進める使命があろう
独創的な研究により、様々な難問に立ち向かう研究者の方々の、研究環境を整え、支える我々の任務も重大である。
(ぐんじすすむ、総務部長)
