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ホーム > 刊行物 > 国立環境研究所ニュース > 8巻 > 1号 (1989年4月発行) > 地球規模大気環境問題を考える

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新たなる時代に向けて
国公研は平成元年3月15日に15周年を迎えた。環境問題と研究所を取りまく状況も大きく変わろうとしているこの時期に、研究所の各部長に15周年の感慨や将来志向を記して頂いた。
なお、4月1日より松下秀鶴氏,村岡  浩爾氏,横山栄二氏は併任の期間を終えられ、それぞれ本務の専任になられました。

地球規模大気環境問題を考える
秋元  肇

過去10年以上にわたって研究者の間で、徐々に認識されてきた地球的規模での大気環境問題の重要性が、いよいよ社会的・政治的課題となって、だれの目にも明らかになってきた。

この問題の特質は、大気中に放出された人為・自然起源物質が大気中での物理過程・化学反応過程を通じて地球上の生態・環境に間接的に大きな影響を与えることである。その特徴としては、数十年から百年以上にわたる長期継続的であること、それだけに科学的予測を可能ならしめるための現象の解明が、従来の公害問題にも増して基本的重要性を持つことなどを挙げることができる。

優れたものを作ることによって経済大国となった日本が、国際的に有用な優れた地球環境情報を生み出すことが求められている。直接の経済的利益に結びつかないという意味でこれを基礎研究と呼ぶならば、わが国が問われているのは、こうした基礎研究のための投資とこれに応えられる研究組織と人材の育成であろう。人工衛星、レーザーレーダー、航空機、船舶などを利用した地球大気観測、大型高速コンピュータを駆使したモデル実験、現象の謎解きに必要な室内実験、それぞれの分野で優れた情報を生み出すことが私達に期待されている。これまで行ってきた公害研究についても、アジアを、日本を、またその部分を地球の一部として認識したとき、従来見えなかったものが見えてくるはずである。

研究の醍醐味は、自分を呼ぶ自然の深奥からの声に導かれて自らを投入してゆく、そんな日常性を越えたところにあるといってよいだろう。地球的規模の環境問題に、そのような声を聴きとれる能力のある研究者を、今研究所は必要としている。現実世界における地球環境問題対策と未知なる地球大気への夢とを結びつけた形での研究をしたいものである。

(あきもとはじめ、大気環境部長)


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