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ホーム > 刊行物 > 国立環境研究所ニュース > 8巻 > 1号 (1989年4月発行) > 長期吸入暴露実験について

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新たなる時代に向けて
国公研は平成元年3月15日に15周年を迎えた。環境問題と研究所を取りまく状況も大きく変わろうとしているこの時期に、研究所の各部長に15周年の感慨や将来志向を記して頂いた。
なお、4月1日より松下秀鶴氏,村岡  浩爾氏,横山栄二氏は併任の期間を終えられ、それぞれ本務の専任になられました。

長期吸入暴露実験について
横山  栄二

昭和62年9月に環境生理部長の併任を命ぜられ、約1年半経過した。しかし昭和63年秋より体調を崩してしまい、実質1年間、月に平均して3〜4日の来所であった。この間環境生理部の部員の方と討論が主であったが、楽しく仕事をさせて頂いた事に心より感謝している。この短い期間に私なりに多くのことを学んだが、その一つが実験動物の長期暴露実験の重要性である。

有害物質の摂取経路として吸入は最も重要である事を時に忘れる。これは呼吸ということがあまりにも日常的であるからであろう。しかし1日の食物摂取量(乾燥量として)約 0.6 、水分摂取量約3 に比し、1日に吸入される空気量は成人で約10,000 、重量で約12 に達することを考えれば、その重要性は明らかであろう。しかし多くの場合、我々は吸入する空気を選択し得ないのである。

一方、長期吸入暴露実験の方法は決して容易なものではない。暴露物質の発生とその濃度管理、暴露環境の維持、実験動物管理、廃棄物処理、実験関係者の安全確保等、どの項目についても長期に亘る試行錯誤と経験、つまりノウハウが要求される。国公研はこのノウハウを技術部、環境生理部を中心として持っており、研究財産としてこれからも維持・発展されて行くことを私は望みたい。

この種の実験は古いと言われるかも知れない。確かに長期間を要し、結果が出るのはかなり先である。最近若い人には吸入暴露実験離れの傾向もあると聞くが、わからない訳ではない。しかし、地域の大気汚染は規制、未規制物質共に未だ当分目を離し得ない状況にあり、より厳密な条件下での長期吸入暴露実験への要求はますます高まると考えられる。

ここは一つ、俺がやらねば誰がやる位の気概でもって研究に取り組む姿勢を期待したい。

考え方ではこの種の実験を行いうるのは、研究者冥利ではないだろうか。

(よこやまえいじ、環境生理部長)


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