海洋生態系観測と変動予測手法の開発（平成 26年度）
Research and Development of Monitoring and Forecasting Systems for Marine Ecosystem Management

研究概要

本研究開発では、大型生物から微生物までを指標とした海洋生態系の調査観測の手法と変動予測の原理を研究し、迅速に環境の状態を評価する実用的なシステムの開発に取り組むことで、民間への技術移転や海底資源開発における環境影響評価のための国際標準となるガイドラインを整備することを目標としている。

研究の性格

• 主たるもの：技術開発・評価
• 従たるもの：モニタリング・研究基盤整備

全体計画

採掘にともなう海底攪乱が海洋表層に直接伝播するケースや海上の採掘プラントでの事故・災害時における鉱物等の漏洩リスクを想定して、１）表層生態系や低次生産に及ぼす影響を把握するための調査手法開発、そして２）影響範囲や期間等を含めたリスクを予測するための数理モデル開発を行う。
初年度は、基盤整備や予備的な調査・実験に重点をおき、平成28年度までには、表層微生物群集への漏洩物質の複合影響調査手法や生態影響試験プロトコールの確立に取り組む。また表層生態系や生物生産への影響を予測するための物理モデル、そして生態系の破壊から回復を予測するための生態系モデルの基本フレームを設計、開発する。平成30年度までにはそれらのシステム化と民間への技術移転、そして国際標準となる生態影響試験等のガイドラインの公表を目指す。

今年度の研究概要

海底資源開発の影響リスク評価手法の開発に着手する。次年度実施予定の沖縄伊平屋北海域での航海調査の事前準備として、船上における低次生態系影響評価手法の検討ならびに海底混合層の濁質挙動に関する数値的研究を行う。

外部との連携

(独) 海洋研究開発機構 (JAMSTEC) と連携して実施する。JAMSTEC側の研究代表者は山本啓之グループリーダー