「第32回全国環境研究所交流シンポジウム」報告
【行事報告】
企画部研究推進室


全国環境研究所交流シンポジウムは、「環境研究に関する研究発表、意見交換を通じて地方環境研究所と国立環境研究所の研究者間の交流を図り、共同研究等の新たな展開に役立てると共に、環境研究の一層の推進を図る」ことを目的に、第1回の昭和61年以来、毎年度の第4四半期に開催されているものです。第32回目となる今回は、「多様化する地域の環境問題を知る・束ねる」と題し、平成29年2月16~17日に当研究所の大山記念ホールで開催され、両日の延べ数で207名の参加があり、地方環境研究所については、42機関から参加がありました。今回新しい試みとして、地方環境研究所と国立環境研究所との共同研究の成果を広く発信するため、本シンポジウムを一般の方にはじめて公開しました。両日の延べ数で、25名の一般参加がありました。
一日目は、住理事長による開会挨拶と太田環境省環境研究技術室長の来賓挨拶とがあり、それに引き続いて「外来種の侵入実態の把握と対策の現状」のセッションで4つの講演、「都市域の環境問題の把握」のセッションで4つの講演が行われました。二日目は、「大気環境の現状と今後の対策」のセッションで4つの講演、「水銀汚染の現状とこれから」のセッションで3つの講演が行われました。講演題目等については下の「第32回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者」をご覧ください。
両日、セッション終了後に、社会環境システム研究センターの高橋主任研究員をファシリテーターとし、総合討論を行いました。高橋主任研究員から、シンポジウムタイトルの「束ねる」に関連し、国立環境研究所で現在進めている統合研究プログラムについて紹介があった後、研究成果の束ね方、束ねるための各機関の役割や機関間の連携方法、若手研究員の育成等について議論を行いました。最後、原澤理事の閉会挨拶をもって終了しました。
地方環境研究所と国立環境研究所の研究者が一堂に会し、地域環境研究の最新動向を共有し議論する貴重な機会となりました。ご講演、ご参加いただいた皆様や、企画・運営にご協力いただいた方々に深く感謝申し上げます。
《第32回全国環境研究所交流シンポジウム講演題目と発表者》
セッション1: 外来種の侵入実態の把握と対策の現状 (座長:五箇公一)
○五箇公一(国立環境研究所)
○多田哲子・坂雅宏(京都府保健環境研究所)
○坂田裕介1・中嶋智子1・分銅絵美2・片山哲郎1・福浦祐介1(1京都府保健環境研究所・2京都市伏見区アルゼンチンアリ根絶協議会)
○金子洋平・中島淳・石間妙子・須田隆一(福岡県保健環境研究所)
セッション2: 都市域の環境問題の把握 (座長:一ノ瀬俊明)
○一ノ瀬俊明(国立環境研究所)
○内藤純一郎・関浩二・松島由佳・小倉智代石原充也((横浜市環境科学研究所)
○酒井学1・多田満2・小神野豊2((1横浜市環境科学研究所・2国立環境研究所))
○市川有二郎・中田利明・行方真優・飯村晃・井上智博(千葉県環境研究センター)
セッション3: 大気環境の現状と今後の対策 (座長:高見昭憲)
○高見昭憲(国立環境研究所)
○寺本佳宏・阪本晶子・西山亨・佐藤邦彦・岩﨑誠二・川合行洋(三重県保健環境研究所)
○堀江洋佑・中坪良平・平木隆年(ひょうご環境創造協会 兵庫県環境研究センター)
○小松宏昭(神奈川県環境科学センター)
セッション4: 水銀汚染の現状とこれから (座長:河合徹)
○武内章記1・大八木英夫2・花町優次1(1国立環境研究所・2日本大学)
○河合徹・櫻井健郎・鈴木規之国立環境研究所
○長森正尚・長谷隆仁・大塚宜寿(埼玉県環境科学国際センター)
詳しい内容は、予稿集全文(下記のURL)でご覧になれます。
http://tenbou.nies.go.jp/science/institute/region/joint_zkksympo2016.pdf
目次
- 「統合」がもたらす新たな科学研究にむけて
-
統合研究プログラムがめざすもの
国立環境研究所でこれまでに取り組んできた持続可能性研究とこれから - 地球規模の環境問題解決の「シナリオ」を描く
- 環境に関係する国際規格
- 社会の活動を”見える化”する〜エネルギーモニタリング事業と社会実装研究
- 持続可能なアジアの未来に向けて 第2回NIES国際フォーラム開催報告
- 「第36回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
- 平成28年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
- 表彰
- 新刊紹介
- 国立研究開発法人国立環境研究所 公開シンポジウム2017『私たちの安心・安全な環境づくりとは-持続可能性とその課題-』開催のお知らせ
- 人事異動
- 編集後記