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2016年日本コンクリート工学会賞(論文賞)

  • 受賞者:
    山田 一夫(福島支部)
  • 受賞対象:
    Evaluation of Alkalinity of Pore Solution Based on the Phase Composition of Cement Hydrates with Supplementary Cementitious Materials and its Relation to Suppressing ASR Expansion,Journal of Advanced Concrete Technology ,13, 538-553,2015
  • 受賞者からひとこと:
     日本コンクリート工学論文賞を、福島支部汚染廃棄物管理研究室山田一夫主任研究員が川端雄一郎博士(港湾空港技術研究所)と共同受賞した。受賞対象は、2015年11月発刊のJournal of Advanced Concrete Technology誌(日本コンクリート工学会発刊の英文誌)に掲載された”Evaluation of Alkalinity of Pore Solution Based on the Phase Composition of Cement Hydrates with Supplementary Cementitious Materials and its Relation to Suppressing ASR Expansion”(混和材を含むセメント水和物の相組成をもとにした空隙水のアルカリ度推定とASR膨張の抑制との関係)である。 指定廃棄物処分に用いられることが計画されている鉄筋コンクリート製の遮断型相当の最終処分場には高い耐久性が求められるが、アルカリシリカ反応(ASR)による膨張の抑制も重要な課題である。一般には、石炭火力発電所から副製する石炭灰や高炉スラグを添加することが効果的であるが、それぞれ効果が異なっていた。その効果が発現する機構を一元的に説明したことが評価された。この技術は、放射能汚染した廃棄物をコンクリート施設・容器に長期間保管・処分する際の安全性確保に役立つ。

日本微生物資源学会 ポスター賞

  • 受賞者:
    山口晴代(生物・生態系環境研究センター)、冨岡典子(地域環境研究センター)、河地正伸(生物・生態系環境研究センター)
  • 受賞対象:
    霞ヶ浦におけるMicrocystis aeruginosaのFtsZ遺伝子を用いた種内系統群の動態解析、日本微生物資源学会第23回大会、日本微生物資源学会誌、32, (1), 81-82,2016
  • 受賞者からひとこと:
     シアノバクテリアの一種であるMicrocystis aeruginosaは特に富栄養化した湖沼で大規模なブルームを形成することによって悪臭や湖底の酸欠を引き起こし、一部はミクロキスチンと呼ばれる毒素を生成するなど、環境問題の原因となる藻類として知られています。これまで、M. aeruginosaにはいくつかの種内系統群が存在することが知られていました。本研究では国立環境研究所が約40年間モニタリングを行っている霞ヶ浦モニタリングサイトを対象に、遺伝子配列を用いたM. aeruginosaの簡便な種内系統群判別法の有用性を確かめました。本判別法には次世代シーケンサーを用いており、一度に大量の遺伝子配列を取得することによって、レアな遺伝子型をも迅速に把握することが可能です。今後も本判別法を用いて霞ヶ浦におけるM. aeruginosaの動態を調べていくことで、私たちの生活に密接に関わっている霞ヶ浦の環境を少しでも理解する一助になればと考えています。

環境科学会学術賞

  • 受賞者:
    一ノ瀬俊明(社会環境システム研究センター)
  • 受賞対象:
    都市における熱環境の解析と改善策に関する研究
  • 受賞者からひとこと:
     小生は90年代初頭から、GISによる都市熱環境システムに関する研究を通じ、都市圏、都市から街区、建物、素材面までのマルチスケールでの現象解明に取り組むとともに、クリマアトラスや河川復元から建築形状や表面素材までの熱環境改善策の検討に係る研究を展開し、熱システム研究の基盤の確立につとめてまいりました。また2000年代の前半には環境省等日本政府の関連政策作りに直接参画(国の委員会の座長など)していたことに加え、外国語の運用能力を生かしての、ドイツにおける風の道や、韓国ソウルにおける清渓川再生に関する研究などを評価していただけたものと思います。環境科学会誌2014年5月号に論文賞受賞者として顔写真が掲載されましたが、撮影したのは人生で最も太ってしまっていた時であり、その後半年鍛錬を重ねまして約8kg減量いたしました。後世の人が誤解しないよう、次のチャンスで挽回したいと思い精進を重ねておりましたら、はからずもこのようなチャンスをいただくことができました。ありがとうございました。

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