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平成21年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について 企画部研究推進室

 地方公共団体環境研究機関等(以下,地環研等)と国立環境研究所(以下,国環研)とが緊密な協力のもと,環境研究をよりいっそう発展させていくことを目標として,平成元年度より,両者の共同研究が実施されています。平成21年度には,下表に示すように,50の地環研等と60課題の共同研究が実施され,活発な研究交流を通じて環境研究の活性化に大きな役割を果たしています。平成22年度には,新たな共同研究課題の提案が予想されますので,実施課題数は,さらに増加するものと考えられます。

 共同研究の進め方としては,地環研等と国環研の研究者の協議により研究計画を決定し,それに従って,各々の研究所で研究を行います。これに加えて,平成13年度からは,全国環境研協議会からの提言をうけ,国環研と複数の地環研等の研究者が参加する形の研究(C型研究)が実施されています。平成21年度は,代表機関となる地環研等から提案された6課題のC型研究が実施されています。

 このような共同研究を通じて地環研等および国環研双方の研究者が互いに交流することによって,環境科学研究の発展に寄与できるものと考えています。

平成21年度地方環境研究所等との共同研究実施課題一覧

 内訳 : 50 機関60 課題 (B,C型共同研究を含む。C型は代表研究所を掲載)

地環研機関名 課題名 研究 タイプ
A・B・C α・β
北海道環境科学研究センター In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
ダイオキシン類及びPCBs の発生源解析に関する研究 β
摩周湖の透明度変化に関する物理・化学・生物学的要因解析 β
釧路湿原シラルトロ沼の環境劣化とその原因の究明 β
岩手県環境保健研究センター In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
宮城県保健環境センター In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
地球温暖化がもたらす日本沿岸域の水質変化とその適応策に関する研究(C 型研究代表) C β
北部太平洋側における降水中の鉛安定同位体比測定によるアジア大陸からの越境大気汚染の調査 β
山形県環境科学研究センター In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
新潟県保健環境科学研究所 新潟県におけるオゾン高濃度現象の解明 β
群馬県衛生環境研究所 In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
アンチモンを指標とした沿道大気における自動車由来粒子状汚染物質の評価 β
茨城県霞ヶ浦環境科学センター 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 β
埼玉県環境科学国際センター 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 β
廃棄物の安定化に着目した品質評価技術の開発 β
埋立地ガスならびに層内保有水を対象とした最終処分場安定化モニタリング β
循環型社会物流システムに適合した最終処分手法の開発 β
千葉県環境研究センター 沿岸性植物プランクトンの自動画像解析システムの開発研究 α
植物のオゾン被害とストレス診断に関する研究(C型研究代表) C β
水生生物等を用いた最終処分場浸出水の簡易管理手法の開発 α
東京都環境科学研究所 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 β
PFOS,PFOA及びその類縁の物質の環境実態把握及び汚染源の推定 β
PCB の迅速測定法に関する研究 β
神奈川県環境科学センター ブナ林衰退地域における総合植生モニタリング手法の開発(C 型研究代表) C β
最終処分場浸出水の水質変動特性の解明に関する研究 β
横浜市環境科学研究所 都市部と農村部における河川水のオオミジンコを用いた総合毒性評価に関する研究 α
川崎市公害研究所 川崎市における都市環境観測と技術評価についての統合的なシステム研究 β
長野県環境保全研究所 鉛同位体比測定によるアジア大陸からの越境大気汚染の定量化 β
山岳地域における揮発性有機化合物の動態に関する研究 β
環境中のダイオキシン類と関連物質のモニタリングおよび発生源解析に関する研究 β
湖沼における水草帯の保全と復元手法に関する研究 β
都市の温熱環境マップ作成に関する研究 β
In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
静岡県環境衛生科学研究所 In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
静岡県内の河川の内分泌かく乱化学物質の調査 β
富山県環境科学センター 富山県における降水中の鉛同位体比に関する研究 β
山域地域における黄砂エアロゾルの動態に関する研究 β
ライダーを用いた黄砂エアロゾル飛来状況に関する研究 β
福井県衛生環境研究センター 北陸地方における産業廃棄物最終処分場(管理型)の安定化に関する研究 β
福井県自然保護センター 生物の空間分布予測モデルにもとづいた自然再生適地の抽出と市民参加による検証 β
京都府保健環境研究所 都市大気エアロゾルの発生源寄与解明のためのレセプターモデルの高精度化 β
エアロゾル中の微量金属元素濃度比及び鉛同位対比を用いた長距離輸送現象の解析 β
In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
大阪府環境農林水産総合研究所 ライダー観測データを用いた近畿地方の対流圏大気環境の調査 β
兵庫県環境研究センター In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
有機フッ素化合物の環境汚染実態と排出源について(C型研究代表) C β
浅海域における干潟・藻場の生態系機能に関する研究(C 型研究代表) C β
名古屋市環境科学研究所 In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
光化学オキシダントと粒子状物質等の汚染特性解明に関する研究(C型研究代表) C β
土壌・地下水汚染物質の微生物分解に関する研究 β
鳥取県生活環境部衛生環境研究所 In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
ブラウン管ガラスからの鉛の分離除去と発泡ガラスへのリサイクル β
福岡県保健環境研究所 微細藻類が生産する有毒物質の分析に関する研究 α
福岡市保健環境研究所 博多湾における円石藻の非円石細胞ステージのモニタリング α
北九州市環境科学研究所 In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
長崎県環境保健研究センター 水稲葉枯症の発症原因の究明と対策 β
鹿児島県環境保健センター In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 α
沖縄県衛生環境研究所 サンゴ礁に対する地球規模及び地域規模ストレスの影響評価 α
微細藻類が生産する有毒物質の分析に関する研究 α
亜熱帯域島嶼における最終処分場の安定化メカニズム解明に関する研究 β

 *研究タイプA~C
 A型共同研究 : 地環研等の研究者が自治体における国内留学制度を利用し,国環研において原則として1ヶ月以上にわたり共同で研究を実施するもの。
 B型共同研究 : 地環研等と国環研の研究者の協議により,共同研究計画を定め,それに従って各々の研究所において研究を実施するもの。
 C型共同研究 : 全国環境研協議会からの提言を受けて,国環研と複数の地環研等の研究者が参加して共同研究を実施するもの。

 *研究タイプα,β
 α : 国立環境研究所の研究者が申請する場合
 β : 地方環境研究所の研究者が申請する場合