「第27回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」 報告
村野 健太郎
地方環境研究所(地環研)と国立環境研究所(国環研)との協力関係をより一層深め,発展させることを目的として,「地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」(検討会)が平成20年2月14日に国環研において開催されました。第27回を迎えた今回は,地環研側から全国環境研協議会(全環研)の高橋正弘会長(宮城県保健環境センター所長)をはじめ,副会長,支部長及び常任理事計12名(うち代理2名)が出席され,環境省から総合環境政策局環境研究技術室の立川裕隆室長が出席されました。また,国環研側からは大塚理事長をはじめ幹部職員など15名の出席がありました。
検討会では,地環研と国環研との連携状況について国環研企画部から説明がなされた後に,昨年度(第26回)の検討会における全環研からの要望事項3件についてその後1年間の進捗のフォローアップ報告がなされました。続いて,全環研から今年度の要望事項3件(1)共同研究(A・B・C型研究他)の推進について:越境汚染,(2)共同研究(A・B・C型研究他)の推進について:大気汚染予測モデル,(3)悪臭防止法に定める特定悪臭物質の測定に対するキャピラリーGC/MS法等の進歩した分析法の採用について,が紹介され,それぞれについて,国環研から回答を行いました。
その後,地環研の現状の紹介等が以下の内容で行われました。
・宮城県保健環境センター所長 高橋正弘 「時流を踏まえた改革の推進-5ヵ年アクションプランの策定-」
・東京都環境整備公社東京都環境科学研究所所長 長谷川猛 「東京都環境科学研究所の財団移管について」
・広島県立総合技術研究所保健環境センター次長 高垣和子 「広島県立総合技術研究所保健環境センター紹介」
・埼玉県環境科学国際センター所長 河村清史 「埼玉県環境科学国際センターの紹介-研究所活動を中心として-」
上記の説明から,地環研の厳しい状況(財政的な制約,技術と知見の豊富な団塊世代の大量退職,人員の大幅な削減,整理合理化の要求等)が明らかにされ,国環研側は認識を新たにしました。最後に「地方環境研究所との交流サイト」について,国環研の環境情報センターから情報提供を行いました。
研究所運営の厳しい環境の中で,相互理解を深めることができたことは,今後の環境研究を共同して発展させることにつながると考えられます。
目次
- 環境研究への期待を受けて【巻頭言】
- ディーゼルナノ粒子曝露実験のための吸入装置の検討【シリーズ重点研究プログラム: 「環境リスク研究プログラム」 から】
- ライダーネットワークによる黄砂観測 −モンゴル編−【研究ノート】
- 大気中超微小粒子(ナノ粒子)と心疾患【環境問題基礎知識】
- 南極レポート(第6回:「越冬交代」)(2008年度 27巻1号)【海外調査研究日誌】
- 「第23回全国環境研究所交流シンポジウム」報告
- 平成20年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
- 独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2008 『温暖化に立ち向かう−低炭素・循環型社会をめざして−』
- 木に名札をつけました
- 新刊紹介
- 表彰
- 人事異動
- 新着情報メール配信サービス開始のお知らせ
- 編集後記
- 国立環境研究所ニュース27巻1号