平成19年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
 地方公共団体環境研究機関等(以下,地環研等)と国立環境研究所(以下,国環研)とが緊密な協力のもと,環境研究をよりいっそう発展させていくことを目標として,平成元年度より,両者の共同研究が実施されています。平成18年度には,32の地環研等と68課題の共同研究が実施され,活発な研究交流を通じて環境研究の活性化に大きな役割を果たしています。平成19年度については,表に示すように,3月7日現在で20の地環研等から43課題の応募が寄せられています。今後も新たな共同研究課題提案があるので,最終的な実施課題数は,さらに増加するものと予想されます。
 共同研究の進め方としては,従来は地環研等と国環研の研究者の協議により研究計画を決定し,それにしたがって,各々の研究所で研究を行います。これに加えて,平成13年度からは,全国環境研協議会からの提言をうけ,国環研と複数の地環研等の研究者が参加する形の研究(C型研究)が実施されています。
 平成19年度は,代表となる地環研等から提案された4課題のC型研究が実施される見込みです。
平成19年度も,このような共同研究を通じて地環研等および国環研双方の研究者が互いに交流することによって,環境科学研究の発展に寄与できるものと考えています。
平成19年度地方環境研究所等との共同研究応募課題一覧
内訳:20機関43課題 平成19年3月7日現在
| 地環研機関名 | 課題名 | タイプ | 
|---|---|---|
| A・B・C | ||
| 北海道環境科学研究センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | 
| ダイオキシン類及びPCBsの発生源解析に関する研究 | B | |
| 摩周湖の透明度変化に関する物理・化学・生物学的要因解析 | B | |
| 岩手県環境保健研究センター | バイオアッセイによる環境試料の毒性評価 | B | 
| In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | |
| 宮城県保健環境センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | 
| 北東部太平洋側における降水中の鉛同位体比測定によるアジア大陸からの越境大気汚染の調査 | B | |
| 環境残留性有機汚染物質(POPs)の発生源解析のための簡易分析法に関する研究 | B | |
| 新潟県保健環境科学研究所 | 新潟県におけるオゾン高濃度現象の解明 | B | 
| 群馬県衛生環境研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | 
| アンチモンを指標とした沿道大気における自動車由来粒子状汚染物質の評価 | B | |
| 福島県環境センター | 猪苗代湖湖水のpH上昇の原因調査 | B | 
| 茨城県霞ヶ浦環境科学センター | 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 | B | 
| 千葉県環境研究センター | オゾンによる植物被害とその分子的メカニズムに関する研究 | C | 
| 埼玉県環境科学国際センター | 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 | B | 
| 神奈川県環境科学センター | ブナ林衰退地域における総合植生モニタリング手法の開発 | C | 
| 地衣類の遺伝的多様性を活用した大気汚染診断 | B | |
| 東京都環境科学研究所 | 関東地域における広域大気汚染のモデル研究 | B | 
| 東京湾湾奥部水浴場における水質指標と要因解明 | B | |
| 有害大気汚染物質自動分析計の精度管理に関する研究 | B | |
| PFOS、PFOAの環境実態把握及び汚染源の推定 | B | |
| PCBの迅速測定法に関する研究 | B | |
| 長野県環境保全研究所 | 湖沼における野生絶滅・絶滅危惧車軸藻類の保全と復元に関する研究 | B | 
| 環境試料中のダイオキシン類および関連物質の分析法に関する研究 | B | |
| 山岳地域における揮発性有機化合物の動態に関する研究 | B | |
| 鉛同位体比測定によるアジア大陸からの越境大気汚染の定量化 | B | |
| 自治体向けクリマアトラス作成方法の開発:長野市における研究をベースに | B | |
| In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | |
| 静岡県環境衛生科学研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | 
| 静岡県内の河川の酵母ツーハイブリッド・アッセイ法による内分泌かく乱活性の評価 | B | |
| 地衣類の遺伝的多様性を活用した大気汚染診断 | B | |
| 福井県衛生環境研究センター | 北陸地方における産業廃棄物最終処分場(管理型)の安定化に関する研究 | B | 
| 岐阜県保健環境研究所 | 環境試料中のダイオキシン類の分析法と環境動態に関する研究 | B | 
| 名古屋市環境科学研究所 | 光化学オキシダントと粒子状物質等の汚染特性解明に関する研究 | C | 
| ため池の多面的な利用と保全・再生に関する基礎的研究 | B | |
| 土壌・地下水汚染物質の微生物分解に関する研究 | B | |
| 京都府保健環境研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | 
| 日本海沿岸で採取したエアロゾル及び降水中の微量金属及び鉛同位体による長距離輸送現象の解析 | B | |
| 都市大気エアロゾルの発生源寄与解明のためのレセプターモデルの高精度化 | B | |
| 鳥取県衛生環境研究所 | 藻場の生態系機能による海域再生研究 | C | 
| In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | |
| 北九州市環境科学研究所 | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | 
| 鹿児島県環境保健センター | In vitro バイオアッセイを用いる河川及び大気の曝露モニタリングに関する基礎的研究 | B | 
*研究タイプA~C
    	A型共同研究: 	地環研等の研究者が自治体における国内留学制度を利用し、国環研において原則として1ヶ月以上にわたり共同で研究を実施するもの。
B型共同研究: 	地環研等と国環研の研究者の協議により、共同研究計画を定め、それに従って各々の研究所において研究を実施するもの。
C型共同研究: 	全国環境研協議会からの提言を受けて、国環研と複数の地環研等の研究者が参加して共同研究を実施するもの。
目次
- イノベーションと環境研究巻頭言
 - 衛星利用による二酸化炭素等の観測と全球炭素収支分布の推定【シリーズ重点研究プログラム:「地球温暖化プログラム」から】
 - 
						
						
								発生源インベントリーの開発
−大気汚染物質はどこでどのくらい発生しているか−【研究ノート】 - 人工衛星から大気中の温室効果ガスの量を測るには?【環境問題基礎知識】
 - 絶滅危惧種イトウを巡る国際共同研究【海外調査研究日誌】
 - 南極レポート(第1回:「プロローグ」)【海外調査研究日誌】
 - 「第22回全国環境研究所交流シンポジウム」報告
 - 「第26回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
 - オンラインマガジン「環環」創刊!!
 - 独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2007 『未来を拓く環境研究 −持続可能な社会をつくる−』
 - 新刊紹介
 - 表彰
 - 人事異動
 - 編集後記
 - 国立環境研究所ニュース26巻1号
 


