「第22回全国環境研究所交流シンポジウム」報告
セミナー委員会 全国環境研究所交流シンポジウム小委員会
平成19年2月21~22日に第22回全国環境研究所交流シンポジウムが開催され,両日の延べ数で120名の方が参加しました。本シンポジウムは,「環境研究に関する研究発表,意見交換を通じて地方環境研究所(以下,地環研)と国立環境研究所(以下,国環研)の研究者間の交流を図り,共同研究等の新たな展開に役立てると共に,環境研究の一層の推進を図る」(全国環境研究所交流シンポジウム実施要領)ことを目的に,セミナー委員会事業の一つとして,第1回の昭和61年以来,毎年度の第4四半期に開催しています。
今回のシンポジウムテーマは,全国環境研協議会加盟機関へのアンケート結果を参考に「温暖化に対する地域レベルの取り組み」となりました。当研究所の大山記念ホールで行われた21日の研究発表会では,西岡秀三理事による基調講演に続き,自治体における二酸化炭素排出量の推計,交通,バイオマス利活用,ヒートアイランドなどに関して計8件の口頭発表及び討論が行われました。翌22日には,当研究所における地球温暖化研究の紹介と見学を組み合わせたプログラムを実施しました。
本シンポジウムの開催にあたり多くの方々のご協力いただきました。皆様のお力添えに深く感謝申し上げます。
【プログラム】(敬称略)
平成19年2月21日(水) (進行:国立環境研究所地球環境研究センター長 笹野泰弘)
開会挨拶 国立環境研究所理事長 大塚柳太郎
基調講演 国立環境研究所理事 西岡秀三
研究発表
(1)「岩手県における二酸化炭素排出量の推計」
○工藤 浩(岩手県環境保健研究センター)
(2)「地域別交通部門二酸化炭素排出量の推計と削減策」
○松橋啓介1,工藤祐揮2,森口祐一1(国立環境研究所1・産業技術総合研究所2)
(3)「つくばを例とした乗用車の目的別利用実態について」
○近藤美則,小林伸治,松橋啓介,田邊 潔(国立環境研究所)
(4)「エコドライブの評価手法に関する研究」
○折原岳朗,岡村 整,横田久司(東京都環境科学研究所)
(5)「愛媛県におけるバイオマス利活用の取り組み」
○横山英明,奥本啓祐,武田伸也(愛媛県立衛生環境研究所)
(6)「地方自治体のヒートアイランド対策・政策」
○一ノ瀬俊明(国立環境研究所)
(7)「横浜市のヒートアイランドの現状と熱環境マップの作成について」
○井上友博,佐俣満夫(横浜市環境創造局環境科学研究所)
(8)「市民参加型調査をベースにした長野市におけるヒートアイランドの現状把握と要因分析」
○浜田 崇(長野県環境保全研究所)
閉会挨拶 国立環境研究所理事 仁井正夫
2月22日(木)
研究紹介
(1)国立環境研究所における地球温暖化研究プログラムの全体概要
笹野泰弘(地球環境研究センター長)
(2)2050年の脱温暖化社会に向けた研究の紹介
藤野純一(地球環境研究センター温暖化対策評価研究室主任研究員)
(3)我が国のインベントリ事業
相澤智之(地球環境研究センターNIESフェロー)
所内見学 土壌による二酸化炭素放出の自動観測装置,低公害車実験施設等
目次
- イノベーションと環境研究巻頭言
- 衛星利用による二酸化炭素等の観測と全球炭素収支分布の推定【シリーズ重点研究プログラム:「地球温暖化プログラム」から】
-
発生源インベントリーの開発
−大気汚染物質はどこでどのくらい発生しているか−【研究ノート】 - 人工衛星から大気中の温室効果ガスの量を測るには?【環境問題基礎知識】
- 絶滅危惧種イトウを巡る国際共同研究【海外調査研究日誌】
- 南極レポート(第1回:「プロローグ」)【海外調査研究日誌】
- 「第26回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
- 平成19年度の地方公共団体環境研究機関等と国立環境研究所との共同研究課題について
- オンラインマガジン「環環」創刊!!
- 独立行政法人国立環境研究所公開シンポジウム2007 『未来を拓く環境研究 −持続可能な社会をつくる−』
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- 表彰
- 人事異動
- 編集後記
- 国立環境研究所ニュース26巻1号