編集後記
今年は“ミレニアム”という言葉で始まった感が強い。幸いなことに,懸念されたコンピュータ2000年誤作動問題は,大きな事故もなく元日を過ぎた。小生も12月31日,元日と計測機器の点検に走り回ったが,多くの研究者や機器管理責任者が泊り込んで対応したことに頭が下がる思いがした。事前の十分な準備があり,事故のないように対応した結果,安らかな新年を迎えられたと考えられる。そこで,ふと足元に視線を投げてみると,来年1月6日には環境庁から環境省への変更,さらに4月1日には,本研究所の独立行政法人への移行という大きな変革がある。これらの変革に,われわれの準備は十分できているのだろうか?行政からのタイムテーブルはできており,それに伴う法律の整備が着々と進んでいるようである。しかし,研究者サイドの準備はというとどうであろうか?来年の変革のときに少ない情報の中で,もがき苦しむようなことはしないようにしたいものである。本ニュースは変革の記念すべき1年間を伝えるメディアになりうるか,心配な面もあるが,少なくとも新世紀につながる橋渡しとなるようなメディアとなれるように考える今日この頃である。
(AKS)
目次
- 新たな環境産業に期待する巻頭言
- 「エラい」研究所
- ダイオキシンは「特殊化学物質」か?—有害な化学物質の包括的な管理のために—
- 輸送・循環システムに係る環境負荷の定量化と環境影響の総合評価手法に関する研究研究プロジェクトの紹介(平成10年度終了特別研究)
- 海域保全のための浅海域における物質循環と水質浄化に関する研究研究プロジェクトの紹介(平成10年度終了特別研究)
- 平成12年度地方公共団体公害研究機関と国立環境研究所との共同研究課題について
- シベリア上空における温室効果気体の観測研究ノート
- 葉の形が変化した植物を使って遺伝子組換え体の安全性評価法を開発する研究ノート
- 平成12年度国立環境研究所関係予算案の概要について
- 現実とバーチャルの共存?米国での研究生活海外からのたより
- 新刊紹介
- 表彰・人事異動