過去の環境儀から

国内の大気汚染物質の発生源対策が進み、窒素酸化物（NO_x）と揮発性有機化合物（VOC）は減少しているのに、光化学オキシダント（O_x）は増加しています。なぜ原因物質が減少しているのに光化学O_xが増加しているのか。なぜ発生源が近くにない地域でも光化学O_xが上昇し、汚染が広がっているのか。本号では、これらの原因の一つとして考えられるアジア大陸からの越境汚染の影響を紹介しています。

• 越境大気汚染の日本への影響－ 光化学オキシダント増加の謎

地球温暖化やヒートアイランド現象に伴う健康影響として熱中症の増加が心配されています。研究所では、温暖化と熱中症の関連性を研究するため、東京都と17政令指定都市の消防局の協力を得て、熱中症患者情報を収集し分析しています。本号では、熱中症患者情報の分析結果から得られた熱中症の実態と熱中症リスクを避けるための対応策について紹介しています。

• 熱中症の原因を探る－ 救急搬送データから見るその実態と将来予測

研究所では、1990年代からディーゼル排気に関する研究を始め、2001年度からは大気中微小粒子状物質（PM2.5）・ディーゼル排気粒子（DEP）等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価の研究を行っています。本号では、DEPなどの微小粒子のアレルギーや免疫機構に及ぼす影響や循環機能に関する研究の成果を紹介しています。

• 微小粒子の健康影響－ アレルギーと循環機能

研究所では、経済発展著しい中国において、日中共同の大気汚染調査研究を行い、環境問題の解決に取り組んでいます。日中の共同研究プロジェクトチームは、中国一般家庭における室内外の空気を採取・分析し、大気汚染の状況を明らかにするとともに、近隣小学校の協力を得て小学生への健康影響調査を実施しました。本号では、このような共同研究の成果をもとに、中国都市部における大気汚染と健康影響の実態を紹介しています。

• 中国の都市大気汚染と健康影響

光化学大気汚染の主要原因物質でもある揮発性有機化合物（VOC）への関心が高まっています。本号では、研究所が取り組んできた、都市域におけるVOCの動態解明と大気質に及ぼす影響評価に関する研究の中から、VOCの発生源と自動車の寄与およびトンネル調査の結果を中心に紹介しています。

• VOC － 揮発性有機化合物による都市大気汚染