COP18/CMP8 サイドイベントの開催~カタール・ドーハから
COP18/CMP8第5日目となる今日(11月30日(金))、国立環境研究所(NIES)は、マレーシア工科大学(UTM)と共催し、『低炭素アジア実現に向けて:科学と政策を橋渡しするモデルの役割』と題するサイドイベントを開催しました。
本サイドイベントでは、まず、最新の研究成果である「低炭素アジアに向けた10の方策」及び「マレーシア・イスカンダル開発地域の2025年に向けた低炭素社会ブループリント(実行計画)」についての発表が行われました。前者が、アジア全体を研究対象としているのに対し、後者は、マレーシアの一地域を対象として、より具体的に低炭素社会実現に向けた政策を議論、提案しています。いずれの研究成果も、世界に向けて公表するのは、このCOP18/CMP8が初めてのことです。ブループリントについては、サイドイベントが始まる前の同日朝、プレスカンファレンスでも公表しました。
次に、様々な分野で活躍するパネリスト7名を招いて、これらの研究成果を踏まえ、では実際にどのようにして、アジア低炭素社会の構築を前進させていくべきなのか、また、そのために必要な更なる支援とは何か、などを議論しました。議論の中には、日本が、引き続き研究を通して、アジア地域に貢献していくことへの期待も述べられました。また、会場からは、政策を実現するための資金をどうするのか、あるいはその進捗をどのようにモニタリングするのか、など、NIESやUTMの研究者がまさに今取り組もうとしている課題についての鋭い質問もありました。
サイドイベント会場には100名以上の方が集まり、大変盛況でした。開催前には、“アジア”と題したサイドイベントから参加者の地域が限定されるのではないかとやや心配しましたが、実際にはアフリカの方も多く参加くださいました。確かに研究の対象地域はアジアに限定されていますが、一つのケーススタディとして、他の国や地域に適用できることは間違いありません。その辺りから、地域に関わらず多数の参加者があったのではないかと想像しています。
サイドイベント実施後は、マレーシアや日本のプレスから要望があり、研究者が個別に対応しました。こういったチャンネルを含め、サイドイベント会場外の方々にも、出来る限り我々のメッセージが届けばと期待します。 なお、本サイドイベントについての詳しい情報は、下記の脱温暖化2050研究プロジェクト ウェブサイトからご確認いただけます。