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2012年12月21日

COP18/CMP8のNIESブースにマレーシア・天然資源環境省大臣が訪問しました。

 国立環境研究所ブースに、12月6日、マレーシア天然資源環境省セリ・ダグラス・ウンガ・エンバス大臣と同省ラヒム次官補ら5名が訪問しました。

 大臣は、マレーシア・イスカンダル開発地域で実施している「アジア地域の低炭素社会シナリオの開発」研究プロジェクト(JICA/JST, SATREPS)において、マレーシア工科大学(UTM)と国立環境研究所が、イスカンダル地域の低炭素社会実現に向けた研究活動を共に行ってきていることを「よく知っています」とコメント。

 朝山由美子特別研究員は、地域レベル、国レベルの取り組みの事例として、2050年までに2度目標を達成するために、アジア各国がどうCO2を削減しながら、Co-benefitを達成することができるか、BAUシナリオとの比較を示したアジアLCSシナリオ開発研究に取り組んでいること、このプロジェクトではアジア低炭素社会の実現に向けたビジョンを描き、望ましい社会の実現に向けて、いつまでにどのようなアクションを取るべきか、各国政府、民間企業、市民、国際機関がどのようなとりくみをすべきかについてロードマップの策定も合わせて行っていることが特徴であることを紹介しました。大臣は、「アジア低炭素シナリオ冊子紹介」やタイの低炭素社会シナリオ報告書を手に取り、熱心にご覧になりました。

マレーシア・天然資源環境省大臣にNIESの取組を説明する朝山由美子特別研究員

 大臣は、「アジア地域の低炭素社会シナリオの開発」研究プロジェクトのカウンターパートであるマレーシア工科大学のブースも訪れ、チャウ・ルン・ワイ講師や岡部浩一プロジェクトコーディネータから、本プロジェクトの概要やイスカンダル地域における2025年に向けた低炭素社会ブループリントについて説明を受けました。COP18ではUTMはマレーシアから参加している唯一の団体であり、大臣はまずこの点でUTMの活動を評価。また、目に見える成果をCOP18という場で公開できたことは大変素晴らしいとコメントされました。ブース訪問中、大臣は終始にこやかに対応され、これからも同省と継続的に関係を維持していって欲しいと要望されました。

マレーシア工科大学のブースで「イスカンダル地域における2025年に向けた低炭素社会ブループリント」について説明を受けるマレーシア・天然資源環境省大臣

 COP18でイスカンダル地域開発庁・マレーシア工科大学・国立環境研究所が発表した「イスカンダル地域における2025年に向けた低炭素社会ブループリント」は、当研究の成果によるもので、COP18開催後、多くのメディアに取り上げられています。今後、イスカンダル地域での低炭素社会計画づくりの知見を活用し、マレーシア全土の低炭素社会シナリオの立案を提案することも期待されます。

 マレーシア・天然資源環境省大臣に対し、国立環境研究所が温暖化問題に対して、全球規模、地域レベル、国レベル、自治体レベルと、包括的に取り組んでいることを直接紹介する貴重な機会となりました。

作成:
 社会環境システム研究センター 准特別研究員 須田真依子
 社会環境システム研究センター 特別研究員 朝山由美子
 マレーシア工科大学 岡部浩一