実験観測施設
水環境保全再生研究ステーション(霞ヶ浦臨湖実験施設)
霞ヶ浦の湖畔にある水環境保全再生研究ステーションは、陸水域の富栄養化機構の解明とその防止対策を研究するためのフィールド実験施設(敷地面積7ha)です。
霞ヶ浦、流入河川、地下水等に関する野外調査基地として、富栄養化に及ぼす汚濁、汚染物質の影響、汚濁された湖水の水質回復に関する研究等を行うほか、知的研究基盤整備として、各種データの整備・公開によりGEMS/Water、JaLTER、GBIFなどの国内外観測ネットワークおよび我が国の湖沼研究全体の底上げに貢献します。
海水マイクロコズム
海洋マイクロコズムは高さ約2mの大型無菌培養槽と人工太陽(キセノンランプ)を中心として構成される海産植物プランクトン培養装置です。培養槽内の塩分・水温の制御によって、沿岸域でしばしば観察される密度成層の再現が可能です。おもに海域において赤潮を形成する植物プランクトンを対象として栄養塩類の取り込みや鉛直分布・遊泳移動などの増殖・生態特性の詳細観測を行っています。
低公害車実験施設
この施設では、電気自動車・ハイブリッド車等の低公害車から、ガソリン車やディーゼル車までの幅広い自動車について、燃費性能、自動車から排出される様々な排出物の排出実態等を実際の使用条件のもとで明らかにすることができます。
公表されている数値は、大半が決められた特定の条件下におけるもので、実際に自動車が使用されている条件のもとで評価した例は少なく、適切な評価がなされていませんでした。
そのため、この施設には一般的な排出ガス測定装置に加えて、大気中における排出ガスの動態を把握するための拡散チャンバーや粒子状及びガス状物質を詳細に分析するための設備を導入しています。
環境実験室とシャシーダイナモ
設備上の車両
自動車排出ガス測定装置
試験結果の確認作業
辺戸岬 大気・エアロゾル観測ステーション
国立環境研究所では大陸規模の広域大気汚染現象解明のため、長年、大気質(ガスおよびエアロゾル)の観測を沖縄県国頭村の辺戸岬で行ってきました。
最近の 東アジア地域における経済発展と、それに伴う、大気汚染の高進、さらにUNEP(国連環境計画)主導によるABC(大気褐色雲)プロジェクトが開始されたことなどにより、全日本の研究者が協力して大気観測を進めることが重要と考え、沖縄辺戸岬大気・ エアロゾル観測ステーションを整備しました。
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福江島 大気環境観測施設
大気光化学チャンバー
大気汚染物質には大気に直接排出されるもの以外に光化学オキシダントや二次生成有機エアロゾルのように大気中での化学反応によって生成する物質があります。大気汚染物質の対策には、大気中での化学変化の理解が不可欠です。私たちは、スモッグチャンバーを使って化学変化の正体を調べています。
環境儀68号「スモッグの正体を追いかける-VOCからエアロゾルまで-」へ