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2005年7月27日

日本での流れを追う

ゴミ(1)

 今回から7回にわたり、ゴミを減らして資源を有効に活用していくための研究について紹介します。初回は、日本のゴミの流れを追う研究です。
 私たちが出すゴミは、どのくらいでしょうか。家庭ゴミの発生量は日本全体で1年間に約5,000万トンですから、換算すると1人1日あたり約1kgになります。しかし、私たちが出しているゴミはそれだけではありません。例えば、携帯電話を考えてみましょう。
 1台の携帯電話の裏には、石油や銅鉱石を掘り出し、それをプラスチックや銅に加工し、部品を作って、携帯電話に組み立てる過程があり、その各段階でゴミが発生しています。
 携帯電話を使うためには電気が必要ですが、電気を作るときにもゴミが出ます。ゴミが出るのは、「携帯電話を捨てる時」だけではないのです。
 日常生活で使うさまざまなモノも、食品から家まですべて同じです。そんな産業ゴミの発生量は年に約4億トン。家庭ゴミと合わせると1人1日あたり約10kgにもなります。何日であなたの体重を上回りますか?
 国立環境研究所では、このような私たちの生活とゴミ、排ガスや排水などのさまざまな環境負荷との関係を、モノを作る段階から使い、捨てる段階まで含めて分析し、私たちがどのようなことをすればよいかについて研究しています。
 その結果から、良いもの(高いもの)を買って長く使うこと、モノを作って使って捨てるすべての段階を見て、より環境負荷の少ないモノを選んでいくこと、などが私たちの向かうべき方向として示唆されます。
 少し視点を変えてみましょう。私たちは1人1日あたり、どのくらいの資源を使っているでしょうか。答えは約40kg。自分と同じくらいの重さの資源を毎日使っている計算になります
 「質量保存の法則」に従えば、私たちが使う資源はすべてゴミになるはずです。ところが、出しているゴミの量は使っている資源の量よりずいぶん少ないですね。この差分は、化石燃料を燃やして大気に捨てられている二酸化炭素のほか(図では「エネルギー資源」)、私たちの社会の中にたまっていくモノたちです(図では「蓄積純増」)。社会にたまったモノも、いずれはゴミとなるでしょう。
 私たちはこれを「潜在廃棄物」と呼んで、今後の発生量を推計し、どう利用していくかについても研究しています。

図
環境白書の「わが国における物質フロー」

【循環型社会形成推進・廃棄物研究センター 循環型社会形成システム研究室 主任研究員 橋本征二】