国立環境研究所平成3年度予算案概要について
その他の報告
竹内 正
国立環境研究所の平成3年度予算案は、昨年7月、国立公害研究所から国立環境研究所へ改組し、新たな出発をした研究所としての研究活動の充実強化及び新規施策に対応したものとなった。
以下にこれらの主要点について紹介する。
- 環境情報に関する経費については、これまでの大気や水質等の各種データベースの経費に加え、新たに、自然環境保全に関するデータベースの整備のための経費が認められた。
- 特別研究に関しては、平成2年度には9課題の特別研究が行われており、内、2課題が平成2年度終了課題である。
これらの2課題については、これまでの成果をもとに、一層の研究成果を得ることとして、継続的更新が認められた。また、改組に伴い、自然環境保全に関する研究についても所掌することになり、自然環境保全に本格的に取り組むための課題が認められた。以下にこれら3課題のテーマを示す。
-
閉鎖性水域における水界生態系機構の解明及び保全に関する研究
-
環境保全のためのバイオテクノロジーの活用とその環境影響評価に関する研究
-
湿原の環境変化に伴う生物群集の変遷と生態系の安定化維持機構に関する研究
- 地球環境研究センター(平成2年10月発足)に関する経費については、地球環境研究の集約化及び地球環境研究データベースの経費については平年度化され、また地球環境の観測・監視を目的とした地球環境モニタリング経費に関しては、本格的モニタリングの実施に向けた大幅な増額が認められた。さらに、地球環境の変化が生態系や人間活動等に与える影響の解析及び予測評価を行うためのスーパーコンピュータの導入経費が認められた。
なお、地球環境研究に関する経費については、環境庁企画調整局地球環境部が計上する地球環境研究総合推進費のうちから配分を受けて行うこととなっている。
(たけうち ただし、研究企画官)