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平成26年度地球環境優秀講演賞(土木学会地球環境委員会)

  • 受賞者:
    藤田壮、平野勇二郎、稲葉陸太、酒井広平、大迫政浩
  • 受賞対象:
    民生業務部門における業種別エネルギー消費量の構造分析(第21回地球環境シンポジウム講演集, 157-162, 2013)
  • 受賞者からひとこと:
     本研究ではオフィスや商業施設などの民生業務部門のエネルギー消費構造について分析しました。民生業務部門は家庭部門と比較して建物用途やエネルギー用途が多様なので体系的に把握することが難しく、とくに建物用途別に集計された種々の実態調査データと、日本標準産業分類に従って業種別に推計されたマクロ統計資料の整合性がないといった問題がありました。これは、例えばオフィスの冷房の対策や、ホテルの給湯の対策といった建物レベルの対策の波及効果を、国の公式の温室効果ガスインベントリと結びつけて検討することができないという重大な問題でもあります。そこで、本研究ではまず原単位の積み上げ計算を業種別に行い、マクロ統計資料と比較しました。次に、業種別に用途別、建物用途別、エネルギー源別のエネルギー消費構造を明らかにしました。本研究の知見は環境省の委員会などでも活かされており、今後も政策貢献に結びつく研究を進めていきたいと考えています。

SPIE Asia-Pacific Remote Sensing 奨励賞(宇宙からの地球観測を考える会)

  • 受賞者:
    神慶孝
  • 受賞対象:
    Use of ceilometers for aerosol profile measurements: a comment from AD-Net (2014 Asia-Pacific Remote Sensing, Proccedings of SPIE, 2014)
  • 受賞者からひとこと:
     本研究は、シーロメーター(雲底計)を使ってエアロゾルの光学特性を定量測定できるのかどうかについて、誤差解析を中心にまとめたものです。シーロメーターの測定原理はライダーと同じであり、雲底高度を測定できるためほとんどの空港に設置されています。そのため、もしシーロメーター信号からエアロゾルの光学特性を測定できた場合、巨大なネットワーク観測が可能となります。特に、黄砂発生源の乾燥地域など、観測の空白域となっている場所でのデータは貴重であり、黄砂放出量の推定に役立ちます。現在、欧米を中心にしてシーロメーターを用いたエアロゾルのネットワーク観測の可能性について議論が進んでいますが、光学的に厚い大気汚染粒子や黄砂については触れられてきませんでした。本研究の解析の結果、光学的に厚いエアロゾル層については、地上付近での消散係数をシーロメーター信号から推定できることがわかりました。今回奨励賞をいただいたことを励みに、今後もライダー計測を通じて気候変動問題に取り組んで参りたいと思います。

2014年度奨励賞(環境科学会)

  • 受賞者:
    花崎直太
  • 受賞対象:
    全球水資源モデルによる人間活動の影響評価に関する研究
  • 受賞者からひとこと:
     多くの優れた若手研究者がいらっしゃる中、私の研究が選ばれたことをとても光栄に思います。私は自然の水循環と人間の水利用の関わりを地球規模で捉えるための「全球水資源モデルH08」というソフトウェアの開発と応用に取り組んできました(http://h08.nies.go.jp)。受賞の対象となったのはこのモデルを利用した一連の研究です。これからも気を引き締めて研究に取り組み、この受賞に値する研究としてまとめ上げたいと思います。