第5回日韓中三ヵ国環境研究機関長会合(TPM5)の開催について
【研究所行事紹介】
佐藤 邦子
平成20年11月25日~28日,北海道において,国立環境研究所(NIES),国立環境研究院(NIER,韓国),中国環境科学研究院(CRAES)の理事長・院長が出席して第5回日韓中環境研究機関長会合(TPM5)が開催されました。この会合は,日本,韓国,中国における環境研究の一層の推進のため,三ヵ国の環境研究機関の長が定期的に集まって開催するものであり,2004年2月に中国北京においてCRAES主催で開催された第1回会合以来,各研究機関が持ち回りで開催しています。NIESが主催するのは,2004年10月のつくばでの第2回会合に次いで2回目となります。
TPM5は,11月25日の大塚理事長の開会挨拶で始まりました。今年はNIER,CRAES共に設立30周年を迎えたということで,理事長は論語の“30にして立つ”を引用しつつ,両研究機関における今後の研究活動の充実,発展への期待を表明しました。NIER及びCRAESの両院長による挨拶に引き続いて,各研究機関の研究活動の概況及び今後の活動,研究トピック等が紹介されました。その後,TPMの枠組みの下での今後の研究協力に関する情報・意見交換,研究者交流,共同研究等に関する討議が行われ,新たな優先協力分野として,気候変動(生態影響,適応等)及び固形廃棄物(3R,リスク管理等)を加えること,研究者の交流を活発化すること等に合意しました。翌26日にはこれらの合意事項に関する共同コミュニケ及び淡水汚染に関する会議録への署名が行われました。
第2回TPMの際にワークショップを開催するとの合意に則して,26日には「有害化学物質による環境汚染に関する国際ワークショップ」が開催され,各研究機関の研究者に加え,北海道環境科学研究センターの研究者により関連する研究分野における研究紹介と意見交換が行われました。さらに27~28日には,NIESが運営している落石岬地球環境モニタリングステーションや釧路湿原,摩周湖などの研究フィールドの視察を行いました。
次回(TPM6)は,NIERの主催で,2009年の秋に韓国において開催される予定です。