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第4回日中韓三ヵ国研究機関長会合(TPM4)の開催

【研究所行事紹介】

佐藤 邦子

 国立環境研究所( National Institute for Environmental Studies, NIES),中国環境科学研究院(Chinese Research Academy of Environmental Sciences, CRAES)及び韓国国立環境研究院(National Institute of Environmental Research, NIER)の3機関長は,2004年2月に中国の北京で会合し,3ヵ国の中核的な環境研究機関がより緊密に協力していくための枠組みとして日中韓三ヵ国環境研究機関長会合(TPM: Tripartite Presidents Meeting among NIES, CRAES and NIER)を設置し,環境研究に携わる機関のトップ同士が定期的に情報交換をしていくことに合意しました。その後,第2回会合が2004年10月につくば市で,第3回会合が2005年5月に韓国済州島で開催され,本年5月,中国四川省の成都で第4回会合が開催されました。

第4回日中韓三ヵ国研究機関長会合(TPM4)の様子

 CRAESのMeng院長の歓迎の挨拶で始まった会議では,まず,3機関における前回会合以降の活動のレビューとオブザーバー機関の活動紹介が行われました。続いて,3機関における研究トピックの紹介に移り,NIESからは環境試料バンキングについて,CRAESからは環境曝露と環境リスクの評価について,NIERからはスクリーニング手法によるPCB含有廃棄物の管理についてそれぞれ発表がありました。今後の協力についての意見交換では,2006年12月に開催したTPM黄砂国際ワークショップの成果も踏まえ,黄砂に関する研究協力につき検討することとなりました。

 TPMの会合の際は,TPM本体の会合に加え,特定テーマについてのワークショップを開催することが半ば慣例となっています。今回は,「自動車排ガスを含む大都市における大気汚染」をテーマに開催されました。NIESからは,光化学反応と大気汚染の移動,車両搭載型計測機器による自動車排ガスの分析,大気汚染の疫学調査について発表しました。

 今回の会合には,第3回会合での合意を受けて,モンゴル気象・水理・環境モニタリング庁,日中友好環境保全センター,成都市の環境保護局及び環境科学研究所を初めてオブザーバーとして招聘しました。次回会合は2008年秋に日本で開催される予定です。

(さとう くにこ,
企画部広報・国際室長)