表彰・人事異動
表彰
受賞者氏名:西川 雅高
受賞年月日:平成14年3月28日
賞の名称:中国環境科学学会長賞
受賞対象:大気エアロゾルの計測手法とその環境影響評価手法に関する研究,及び中国北東地域で発生する黄砂の三次元的輸送機構と環境負担に関する研究
受賞者からひとこと:
黄砂に関する中国との共同研究を長年にわたり行ってきた業績が中国環境科学学会に評価され,このような栄誉をいただき光栄に思っております。国環研首脳の励まし,多くの研究者の協力,JICA支援をいただきながら1996年から5年間行いました開発途上国環境技術共同研究の中で,日中友好環境保全センター全浩博士のグループと開始した中国の黄砂研究は,中国国家的環境研究重点プロジェクトへと進展しました。黄砂という研究テーマに出会えたこと,それを通じて内外の研究者と知り合えたことは,私にとって非常に幸運であり,皆様に感謝しています。現在,私の関係する黄砂研究は,環境省地球環境研究総合推進費プロジェクトの中で多くの研究者仲間とさらなる高みを目指しており,今後も黄砂を通して日中環境協力に精進したいと考えております。
受賞者氏名:田邊 潔,前田恒昭(東亜ディーケーケー),星 純也(東京都環境科学研究所),泉川碩雄(中外テクノス),森田昌敏
受賞年月日:平成14年6月4日
賞の名称:日本環境化学会第11回環境化学技術賞
受賞対象:試料平均化採取・GC/MSによる揮発性有害大気汚染物質自動分析装置の開発
受賞者からひとこと:
日本環境化学会の機関紙(論文誌)「環境化学」に掲載された論文の中で,標記論文が技術的に優れているとして表彰されました。この論文は,平成9~11年に行われた革新的環境監視計測技術先導研究「大気有害化学物質監視用自動連続多成分同時計測センサー技術の開発に関する研究」の中で行われた,自動計測装置の開発についてまとめたもので,私にとっては,キーボードや紙の上での仕事が多くなっていた中で,久しぶりの懐かしい装置開発でした。大気汚染防止法改正に伴う有害大気汚染物質モニタリングを,いかに自動で多成分について行えるようにするかという挑戦でしたが,様々な物質を同時に相手にすることによる各種条件設定の難しさ,得られる膨大なデータの処理など,開発は容易でありませんでした。共同研究者はじめ様々な方々の協力をいただいて何とか出来上がった装置は,環境省による試験的な連続多成分モニタリングにも採用され,さらに現在もより良いものにしようと改良が続けられています。装置開発などの環境計測の研究は,比較的地味な基盤研究ですが,今回の受賞は大きな励みになりました。ブレークスルーが期待できる環境計測を目標に,研究を続けていきたいと思っています。 (田邊)
受賞者氏名:肱岡靖明
受賞年月日:平成14年6月28日
賞の名称:日本下水道協会 奨励賞
受賞対象:下水道台帳データベースと精密数値情報を利用した分布型モデルによる都市雨水流出解析
受賞者からひとこと:
日本下水道協会から分布型モデルを日本の下水道システムに適用するための研究で平成14年度下水道協会有効賞(奨励賞論文)を授与されました。本研究は,都市の水循環に着目した温暖化影響・適応モデル開発の一環として行われました。都市における水循環の重要な要素である下水道に着目し,分布型モデルを用いてその水の流れをモデル化するために,下水道台帳データベースおよびGIS(細密数値情報)を組み込んだ統合解析システムを開発し,土地利用情報に基づく雨水流出解析手法を提案しました。なお,この論文は古米弘明氏(東京大学),市川新氏(福岡大学)とともにとりまとめ,共同で受賞したものです。
受賞者氏名:高橋 潔,原沢英夫,松岡 譲(京都大学),島田洋子(神戸市環境保健研究所)
受賞年月日:平成14年7月17日
賞の名称:(社)土木学会地球環境委員会 地球環境論文賞
受賞対象:気候変動下における水資源問題の評価-GCM計算により得られる気候の年々変動を考慮して-
受賞者からひとこと:
土木学会地球環境委員会の論文誌「Journal of Global Environment Engineering」に掲載された論文の中で上記論文の成果が評価され,表彰されたものです。本研究は,平成11~13年度環境省地球環境研究総合推進費「アジア地域における環境安全保障の評価手法の開発と適用に関する研究」の一環として行われました。世界全域を対象地域として,気候変動による利用可能な水資源量への影響と社会経済変化による水需要変化を総合的に勘案し,河川流域別に将来の渇水の起きやすさについて評価しました。2003年に第3回世界水フォーラムが日本で開催されることもあり,地球規模の水資源問題への注目が高まる中で,本研究が高く評価されたことは私たちにとって大きな喜びです。今回の受賞を励みとして,本研究をより発展させることができるようにさらに努力していきたいと思います。(高橋)