所内研究発表会報告
野原 精一
年末恒例の所内研究発表会が12月13日に大山ホールで開催された。今回の発表会では所内の新人,科学技術特別研究員,STAフェロー,EFフェローを中心にした20件のポスター形式の発表があった。
その所内発表会に先立って大井 玄副所長によるサロンドニース「文化という牢獄」が中会議室で催された。サロンドニースの後,文化に対する様々な感想を胸にした聴衆が移動して,大山ホールのポスター会場は大盛況であった。測定器も展示され,写真やカラフルなポスターが多く1m2の台が所狭しといった感であった。昨年の辛口の要望を満足させるような甲乙付けがたい発表ばかりであった。
発表会に引き続いて所長,副所長から「これからもがんばりま賞」が地球環境研究グループの足立直樹さんと大気圏環境部の中野智子さんに授与された。マレーシアの熱帯林研究とシベリアのメタン発生の研究と南北バランス良い受賞であった。そのあと懇親会が行われ発表会の議論の続きや忘年会として懇談が続き,用意した食べ物が瞬く間に無くなった。ともすると細分化された研究分野間での交流が無くなり易い総合的な研究所において,所内発表会や懇親会が若い所員の研究の推進や交流にささやかでも役立てば幸いである。
(のはら せいいち,生物圏環境部生態機構研究室長 セミナー委員会所内研究発表会小委員会幹事)
平成8年度所内研究発表会(ポスター発表)プログラム
(平成8年12月13日(金) 於:国立環境研究所大山記念ホール)
マレーシアの低地熱帯林における林冠ギャップの分布と構造 | 足立直樹 |
日本の自然風景を楽しんだ外国人 | 青木陽二 |
成層圏光化学−放射結合モデルの開発 | 秋吉英治 |
カラフトマスとベニザケの生産量に及ぼす密度効果・環境要因・種間関係の影響 | 福島路生 |
中国の土地利用変化に関するデータセット及びモデルの構築 | ゴン 建新1 |
ヒラズオオアリの兵隊カストの役割 | 長谷川英祐2 |
研究本館3棟化学物質管理区域の紹介 | 堀口敏宏 |
細密地理情報にもとづく都市のエネルギー消費と都市熱環境の解析 | 一ノ瀬俊明 |
コラーゲン線維の立体構造を識別して結合する分子量88kタンパク質 | 岩田正夫2 |
含水金属酸化物に対する有機化合物の吸着−Zn(IV)含水酸化物およびFe(III)含水酸化物に対する単糖の吸着− | 金尾昌美 |
地上衛星間レーザー長光路吸収法による大気微量分子の計測 | 古閑信彦 |
都市の職住床配置と移動エネルギーに関する考察 | 松橋啓介 |
炭素,窒素安定同位体比を利用した北太平洋における海鳥類の生態学的研究 | 南 浩史2 |
Taxonomic Studies on the Marine Raphidophytes | A.S.Mostaert3 |
シベリア永久凍土地帯の自然湿地におけるメタンガス発生 | 中野智子2 |
The coastal seas as an efficient trap from rivers inputs and from marine circulation inputs, a case of study:the Gulf of Lions, N.W. Mediterranean sea, France | M.H.Noel3 |
河川底生動物に対する残留農薬の影響 | 多田 満 |
PETボトルリサイクルのライフサイクルアセスメント | 寺園 淳 |
接触性皮膚過敏症の免疫寛容発現機構について−Interleukin-12によるIFN-γ産生能の回復− | 牛尾博子2 |
イリオモテヤマネコの遺伝的多様性について | 山根明弘2 |