平成9年度地方公共団体公害研究機関と国立環境研究所との共同研究課題について
酒巻 史郎
環境研究の相互発展のために地方公共団体公害研究機関(地公研)と国立環境研究所との間の共同研究制度が平成元年度より発足し,既に8年が経過した。例年,21から31地方研究機関と40から59課題の共同研究が着実に実施されてきたが,来年度(平成9年度)も,付表の様に24研究機関と39課題の共同研究の実施が予定されている。その内,新規課題は14課題であり,新しいチャレンジの意気込みが十分に感じられるが,また継続課題の中には,長期に渡って,大事に研究を進めている課題も多々ある。
共同研究の実施に当たっては,事前に地公研と国環研の研究者の十分な協議により共同研究計画を定めて頂き,それに従って各々の研究所において研究を遂行して頂く形となっている。なお,来年度の39提案課題の内,18課題が地公研主体で実施される予定である。この共同研究を通じて,地公研・国環研の研究者がお互いに刺激し・研鑽しあって,環境研究の発展に寄与できるようになれば幸いなことである。
(さかまき ふみお,研究企画官)
表 平成9年度地方公共団体公害研究機関と国立環境研究所との共同研究課題
(平成8年12月4日)
地公研機関名 | 課題名 | 国環研担当者 |
北海道環境科学研究センター | 河川における農薬流出量の定量評価の研究 | 井上隆信 |
湖沼のN,P,Si含量およびその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究 | 高村典子 | |
リモートセンシングによる湿原環境モニタリング手法の研究 | 田村正行 | |
北海道立衛生研究所 | 室内環境中の有害物質のモニタリングと生体影響評価について | 相馬悠子 |
青森県環境保健センター | 湖沼のN, P, Si含量およびその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究 | 高村典子 |
福島県衛生公害研究所 | 1.酸性降下物に含まれるリン酸の量とその季節変化 2.樹木樹皮による酸性環境汚染物質蓄積の検討 |
佐竹研一 |
猪苗代湖の環境変動が水草に与える影響 | 渡辺 信 | |
新潟県衛生公害研究所 | 新潟県六日町地域の地盤の圧密特性と消雪用地下水の揚水による地盤沈下 | 陶野郁雄 |
栃木県保健環境センター | 湖沼のN, P, Si含量およびその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究 | 高村典子 |
千葉県環境研究所 | 沿道環境における快適性に対する自動車交通騒音の影響の調査 | 影山隆之 |
東京都環境科学研究所 | 有用生物と資源を活用した汚濁水域の水質浄化・リサイクル・修復エコシステムの開発−水生生物の生息環境の向上を目指した海域の護岸改良材としての有用資源の活用− | 稲森悠平 |
神奈川県環境科学センター | 高濃度大気汚染生成機構の解明に関する研究 | 若松伸司 |
環境中での農薬の分解解消に関する研究 | 井上隆信 | |
横浜市環境科学研究所 | 人工衛星データによる湖沼及び湾のクロロフィルa濃度の推定手法に関する研究 | 田村正行 |
福井県環境科学センター | 湖沼のN, P, Si含量およびその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究 | 高村典子 |
有用生物と資源を活用した汚濁水域の水質浄化・リサイクル・修復エコシステムの開発 | 稲森悠平 | |
長野県衛生公害研究所 | 車軸藻の絶滅・絶滅危惧種の保護と自然界への復元に関する研究−車軸藻類を中心にした湖沼水草帯の復元手法と水質浄化機能の検討− | 渡辺 信 |
河川における農薬流出量の定量評価の研究 | 井上隆信 | |
バックグラウンド地域における酸性・酸化性物質の動態の解析に関する研究 | 村野健太郎・畠山史郎 | |
環境大気における植物起源有機物質の役割の解明 | 横内陽子 | |
水域におけるトリハロメタン前駆物質の挙動に関する研究 | 今井章雄 | |
名古屋市環境科学研究所 | 生物処理を利用した土壌・地下水の汚染浄化に関する研究 | 矢木修身 |
大阪府公害監視センター | 騒音苦情と土地利用の相関などに関する解析 | 大井 紘 |
有害化学物質による環境負荷の定量化とそ影響の評価手法の検討 | 森口祐一 | |
奈良県衛生研究所 | 酸性雨関連化合物の分布量調査−湿性および乾性沈着量の測定手法と沈着量の評価− | 村野健太郎・畠山史郎 |
兵庫県立公害研究所 | 環境有害化学物質としての界面活性剤の河川流域内動態評価 | 井上隆信 |
鳥取県衛生研究所 | 藻類の異常発生機構に関する研究 | 矢木修身 |
岡山県環境保健センター | 有用生物と資源を活用した汚濁水域の水質浄化・リサイクル・修復エコシステムの開発 | 稲森悠平 |
難分解性化合物分解菌の検索及び特性に関する研究 | 内山裕夫 | |
広島県保健環境センター | 汚濁水域の地域有用資源を活用した水質浄化・リサイクル・修復システムの開発 | 稲森悠平 |
福岡県保健環境研究所 | 湖沼のN, P, Si含量およびその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究 | 高村典子 |
河川における農薬流出量の定量評価に関する研究 | 井上隆信 | |
酸性汚染物質による環境汚染に関する研究 | 佐竹研一 | |
福岡県における酸性物質および酸化性物質の挙動 | 村野健太郎・畠山史郎 | |
大分県衛生環境研究センター | カトディニウムによる感潮域河川の赤潮発生機構の解明(Katodinium rotundatum) | 稲森悠平 |
長崎県衛生公害研究所 | 長崎県における酸性物質及び酸化性物質等の挙動に関する研究 | 村野健太郎・畠山史郎 |
鹿児島県環境センター | 湖沼のN, P, Si含量およびその元素比と植物プランクトン組成との関係に関する研究 | 高村典子 |
九州南部(奄美大島,屋久島,鹿児島等)地域における酸性・酸化性物質の動態の解析に関する研究 | 村野健太郎・畠山史郎 | |
沖縄県衛生環境研究所 | 辺戸岬地上観測施設における酸性・酸化性物質の動態解明のための研究 | 村野健太郎・畠山史郎 |