編集後記
長雨と冷夏で、今年は梅雨あけ宣言もありませんでした。既に6個の台風が上陸し、これも観測史上最高の数と並んでいます。また、日照不足のため米の生育が悪く、作況指数は全国平均で80、地域によっては30を下回る所もあって、米作農家でさえ、自家消費に支障をきたすそうです。長年議論されてきた米の自由化についても、緊急輸入を余儀なくされる始末です。
大雨についての経験を一つ。この8月に、熊本・鹿児島両県で現地調査があり、その折りに時間雨量70mmの豪雨と遭遇しました。雨と言うよりは雨滴から飛び散った水沫が空を覆い、あたかも煙幕がかかったかのようでした。
毎年自然災害が繰り返され、その度に多くの人命が失われています。気象異変、地球規模の環境変化、世紀末現象など、要因についてさまざまな憶測が流れます。これらを見るにつけ、今地球で何が生じているのか、正しく記録にとどめることが、環境科学の重要な使命の一つと感じる次第です。(T.H.)
目次
- 環境研究への期待
- 新任にあたって論評
- バイカル湖と霞ヶ浦論評
- “酸性雨”に関する最近の研究プロジェクト研究の紹介
- 有害廃棄物の処理に伴うリスクの評価プロジェクト研究の紹介
- “Pulmonary Clearance and Toxicity of Intratracheally Instilled Cupric Oxidein Rats.”Seishiro Hirano, Hisae Ebihara, Soichi Sakai, Naomi Kodama andKazuo T. Suzuki:Archives of Toxicology, 67, 312-317 (1993)論文紹介
- “Vertical profiles of temperature and ozone observed during DYANA Campaignwith NIES ozone lidar system at Tsukuba”Hideaki Nakane, Sachiko Hayashida, Yasuhiro Sasano, Nobuo Sugimoto,Ichiro Matsui and Atsushi Minato:Journal of Geomagnetism and Geoelectricity, 44, 1071-1083 (1992)論文紹介
- 特別研究ワークショップ「ディーゼル排気微粒子(DEP)の生体影響」ネットワーク
- 国際シンポジウム「生物多様性−その複雑性と役割」
- 新刊・近刊紹介
- 主要人事異動