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バイオ・エコエンジニアリング
- 開発途上国の水環境改善をめざして

環境儀 NO.7

稲森悠平/水落元之
生物が持つ浄化能力の活用は開発途上国の水環境改善に大きな役割を果たします。

 開発途上国で安全な飲み水を確保するには,まず水環境の保全・修復が必要です。そのためには汚濁負荷の5〜7割程度を占めている生活系排水の処理が重要です。しかし処理システムの維持管理体制やその資金確保等さまざまな問題点を抱えているこれらの国々では,先進国がこれまで行ってきた下水道のような一極集中型の処理システムを整備していくのは困難です。そこで求められてくるのが,排水を現場で処理し,浄化した水を還元する,分散型で低コストの,エネルギー効率や維持管理性にも優れた技術・システムです。

 国立環境研究所ではこうした技術・システムの開発・普及に向けて,高度処理(窒素・リン除去型)浄化槽にも利用されるバイオエンジニアリングと水生生物や土壌を活用したエコエンジニアリングを融合したバイオ・エコエンジニアリングの研究に取り組んでいます。

 本号では,バイオ・エコエンジニアリングを途上国に適用するための調査研究の成果について取り上げるとともに,その技術・システムの概要やねらい,これまでの研究成果,現在進めているプロジェクトなどを紹介します。