- 予算区分
- AA 戦略PG構成PJ
- 研究課題コード
- 2125AA106
- 開始/終了年度
- 2021~2025年
研究概要
人口減少社会において持続可能な生態系管理の空間デザインを検討するため、広域データに基づく生態系変動や駆動因の評価手法の開発、および生態系管理効果の評価を行う。それらの成果に基づき、生態系管理における意思決定支援の枠組みを整備する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
野生動物や絶滅危惧植物種、無居住化地域の耕作放棄地等を対象に、人口減少に伴う変化を評価するための指標開発を行う。特に、市民観測データが蓄積されている野生鳥獣については時空間的な構造を考慮した巨大データに対応可能な統計分析手法を開発し、先進的な時空間トレンド分析の枠組みを構築する。また、観測人口の減少をカバーするように、自動観測や遺伝情報に基づく生物個体群の広域評価手法を開発し、人口減少が進行している地域に適用する。また、人口減少に伴う生物種の減少リスクや景観変化を広域・種横断的に行うための指標を開発する。
Human-wildlife conflictの緩和・耕作放棄地の植生管理などを対象に、人口減少下での持続可能な生態系管理に必要となる効果評価の枠組みを分野横断的に検討する。Human-wildlife conflictの緩和に向けては、野生鳥獣の捕獲効果の評価や人間の生活環境への野生動物の侵入リスク低減効果を評価する手法の開発を行う。
得られた指標や管理効果の評価に基づき、生物多様性保全や鳥獣管理戦略の意思決定を支援するツールを開発し、実際の問題解決に応用する。対策の現場に近い関係行政機関との連携を深め、得られた成果を迅速にフィードバックするための体制づくりを進める。
3年程度で野生鳥獣の時空間データに基づくトレンド評価手法の開発、鳥獣捕獲効果を評価するための手法の開発を行う。中期計画期間で人口減少に伴う生物種の減少リスクや景観変化指標の開発、時空間トレンドや管理効果の評価に基づく生態系管理の意思決定支援ツールの開発を行い、関係行政機関と連携して得られた知見を生態系管理の計画にフィードバックする。
今年度の研究概要
今年度は、引き続き出猟カレンダーの収集・整備を進めるとともに、既存の個体密度推定値を収集してデータベース化する。絶滅危惧種の分析における課題である、多種小サンプル問題を解決するために系統情報を活用した多種絶滅確率予測モデルを開発する。
外部との連携
兵庫県森林動物センター・北海道総合研究機構等の地環研、自然環境研究センター・知床財団等のNGO、東京大学・北海道大学等の大学と連携して実施している。