- 予算区分
- BY 環境-委託請負
- 研究課題コード
- 2020BY009
- 開始/終了年度
- 2020~2020年
- キーワード(日本語)
- 気候変動,閉鎖性海域,影響予測,適応策
- キーワード(英語)
- climate change,enclosed coastal sea,impact prediction,adaptation
研究概要
気候変動影響への適応計画や瀬戸内海環境保全基本計画において、気候変動が閉鎖性海域の水環境・生態系に及ぼす影響の評価・予測と適応策に関する調査研究等が推進されている。本研究では、瀬戸内海をはじめとする国内の閉鎖性海域を対象として、1970 年代以降における水質や底生生物の長期変遷と気候変動影響の関係性の評価、植物プランクトンへの気候変動影響の実験的検討、数値シミュレーションモデルによる将来予測を実施し、閉鎖性海域における水質や生物多様性・生物生産性への気候変動影響の評価および適応策の各種検討等を行う。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
瀬戸内海の水環境と生物多様性・生物生産性を対象として長期モニタリングデータの解析、室内実験および数値シミュレーションを行い、気候変動影響の評価・予測と水環境分野における効果的な適応策について検討を進めるとともに、得られた知見の他海域への展開・拡張について議論する。
今年度の研究概要
瀬戸内海を対象に先行実施した海水温・水質の長期変動の評価を伊勢・三河湾、東京湾など他の閉鎖性海域に展開し、海水温変動に関する海域特性評価並びに評価結果の妥当性の検証を行う。海水温・底質・底生動物群集構造の長期変動とそれらの相互関係を解析・データベース化し、将来の気候変動によって瀬戸内海の水質・底質環境が変化した場合の底生動物群集の応答予測を行う。瀬戸内海の優占植物プランクトン種について水温、光、栄養塩等に対する増殖応答関数を実験的に構築するとともに、環境変化と植物プランクトン種の優占種交代の関係性を培養実験・数値実験により解析し、気候変動による一次生産への影響予測に資する知見を提示する。陸域−海域モデルを用いて東京湾、伊勢・三河湾、瀬戸内海の気候変動影響予測シミュレーションを実施するとともに、脆弱海域の抽出および適応策の検討・効果評価を行う。