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災害に伴う環境・健康のリスク管理戦略に関する研究(令和 2年度)
Health and environmental risk management strategies in disaster environment

予算区分
AS 災害環境研究
研究課題コード
1620AS012
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
災害環境,環境リスク,化学物質,迅速分析,探索的分析,沿岸海域調査,沿岸生態系,管理体制
キーワード(英語)
disaster and emergency environment,environmental risk,chemicals,rapid screening analysis,comprehensive analysis,coastal sea survey,coastal ecosystem,management framework

研究概要

有害な物質や成分にかかわる災害時における環境・健康のリスク管理への取り組みについて、2017年度まで課題1:災害時のリスク管理目標に関する研究、課題2:災害時の環境調査の手法と体制に関する研究、の2課題によって研究を行ってきた。2019年度は課題構成を見直して、課題1:災害時のリスク管理手法に関する研究、課題2:災害時の環境調査のための分析・調査手法に関する研究のうち課題2-1:災害時の環境調査のための網羅分析手法の研究、課題2-2:災害時の環境調査手法に関する研究、課題3:災害時の陸域での環境調査と曝露・疫学に関する研究、課題4:災害時の海域での環境調査と影響に関する研究、の4課題として具体的検討を進め、これらによって災害に伴う環境・健康のリスク管理戦略の確立を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

有害な物質や成分にかかわるリスクの管理や評価は広く研究されてきた。しかし、これら平常時に対するにおける取組に対して、災害時における環境・健康のリスク管理への取り組みは大きく遅れている。本プロジェクトでは、災害に伴う環境・健康のリスク管理戦略の確立を目指して、2017年度まで課題1:災害時のリスク管理目標に関する研究、課題2:災害時の環境調査の手法と体制に関する研究、の2課題によって研究を行ってきた。2018年度は、課題1:災害時のリスク管理手法に関する研究、課題2:災害時の環境調査のための分析・調査手法に関する研究のうち課題2-1:災害時の環境調査のための網羅分析手法の研究、課題2-2:災害時の環境調査手法に関する研究、課題3:災害時の陸域での環境調査と曝露に関する研究、課題4:災害時の海域での環境調査と影響に関する研究、課題5:災害時環境疫学に関する研究、の5課題で進めてきたが、2019年度は、課題3と課題5を新たな課題3:災害時の陸域での環境調査と曝露・疫学に関する研究、として集約して、全体で4課題として研究を行う。

今年度の研究概要

課題1:災害時のリスク管理手法に関する研究
化学物質の放出に関する事故事例、特に一般環境への影響が懸念される事例について、アンケートやヒアリング調査により収集した事についての詳細情報から、各種環境媒体への移行プロセスを解析し、一般環境における懸念事項やそれに対して必要となるリスク管理対策についての情報整理を実施する。
課題2:災害時の環境調査のための分析・調査手法に関する研究
課題2-1:事故・災害時に測定対象として想定した物質のうちGC/MSで測定可能なものについて、全自動同定定量システム(AIQS)へのデータ収載を進めるとともに、GC/MS/MS等の手法による高精度定量法を検討する。またブラウザ版AIQSの試作品について、必要な改良を経て完成させる。
課題2-2:最適化したペン型セミアクティブ大気サンプラーを用いて、東京都および大阪府の都市域において中期的な連続サンプリングを実施し、検出される化学物質とその濃度変動を他のアクティブサンプリングと比較検討する。またペン型セミアクティブ大気サンプラーの適用範囲を設定し、災害時に適した大気採取方法を完成させる。
課題3:災害時の陸域での環境調査と曝露・疫学に関する研究
災害に伴う住民の環境曝露推定のため、被災地域及び非被災地域において、行動調査や曝露実態調査を含む観察・実測調査を行う。また、各種災害における化学物質の曝露シナリオの設定に必要な情報の集約、曝露シナリオ設定に向けた検討を行う。
課題4:災害時の海域での環境調査と影響に関する研究
 干潟生態系の回復に関する現地調査を仙台湾の干潟で継続すると共に、震災後9年間の干潟環境変化に関するデータの取りまとめを進める。大船渡湾,気仙沼湾,志津川湾において、底質中の多環芳香族炭化水素(PAH)濃度の経年変化把握のための定点調査を継続し,2019年度に見出されたPAHの濃度上昇と震災以降に生じた油流出事故との関連を調べ、最近生じた付加的な炭化水素汚染実態把握を検討する。

外部との連携

福岡県保健環境研究所
北九州市立大学
環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室
環境省自然環境局生物多様性センター
東北マリンサイエンス拠点形成事業(TEAMS)

備考

環境リスク研究分野
健康環境研究分野
環境計測研究分野
地域環境研究分野
資源循環・廃棄物研究分野

課題代表者

鈴木 規之

  • 企画部
  • フェロー
  • 博士(工学)
  • 工学,化学,土木工学
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担当者