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環境創生の地域情報システムの開発(平成 29年度)
The development of regional information systems for Environmental Renovation

予算区分
AS 災害環境研究
研究課題コード
1620AS007
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
統合評価モデル,地域分析,災害復興,低炭素社会,都市計画
キーワード(英語)
integrated modeling,regional analysis,recovery from disaster,low-carbon society,urban planning

研究概要

震災からの復興から環境回復、さらに持続的な地域創生を目指す自治体、企業、住民の将来ビジョン構築やそこに至る技術選定と施策の策定に有用な情報を提供するため、福島県内の環境・社会情報、および環境技術・社会技術等に関する情報のデータベース(地域データベース)とそれを用いた地域診断システムを構築する。低炭素や資源循環・自然共生等の環境成長の目標の達成に加え、高齢化や人口維持・産業振興等の社会面の目標を達成するための技術・施策を分析するモデル(地域統合評価モデル;福島AIM)の開発を進めて、その政策貢献を通じての実用性と信頼性の改善を進める。地域統合評価モデルを福島県と県内の地域、自治体単位で適用し、震災・原子力災害による避難住民の帰還等も考慮した将来とシナリオとそこへ至る技術・施策のロードマップを構築し、複合的な施策パッケージの提案の礎となる情報を提供する。

研究の性格

  • 主たるもの:技術開発・評価
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

(1)福島県における地域データベースの構築
第3期に整備を始めた、福島県における地域データベースの構築を進めて、より新しい人口・経済指標、避難区域、交通量、太陽光発電等の再生可能エネルギー供給を追加し、また技術情報を収集し、研究プログラム全体で活用される情報基盤としての地域データベース、並びに地域診断システムを平成30年度までに構築する。ただし地域データベースはその後も新しい統計情報や、復興事業の進展(平成29年度に予定されている常磐線の全線復旧等)等を反映し随時更新を行う。
(2)地域統合評価モデルの開発と実用化に向けた高度化
平成30年度までに地域統合評価モデルを構成する人口、経済、交通、土地利用、エネルギー、廃棄物、生態系、環境影響等の各分野のモデルを調査し、分野を統合して必要な施策を分析するための枠組みとなる理論を構築する。また主として浜通り地域及び福島県を対象地域として、モデルのプロトタイプを実装する。平成31年度以降もモデルを改良し、福島県及び県内地域を対象として実装する。その後、適用を通じて得た課題を反映し、第4期終了までに他の地域においても自然環境と社会関係を考慮した長期的・総合的な施策の分析のために一般的に適用可能なモデルとする。
(3)将来シナリオと復興のロードマップの構築
平成30年度までに、第3期において福島県新地町を対象として構築した将来シナリオを同町との議論を通じて更新、さらにロードマップを構築し、同町において予定されている長期的な「人口ビジョン」の策定を支援する。その際、同町の復興計画の進展(平成29年度に予定されているJR東日本新地駅の再開とそれに伴う駅前の整備事業や住宅の再建等)に留意し、人口ビジョン等の数十年にわたる計画や方針と、数年程度の短期的な施策や事業との整合性を確保する。第4期終了までに福島県内の他地域への適用を行い、浜通り地域及び福島県における将来シナリオの構築を開始し、地域の将来シナリオ及びロードマップの構築を行う。これを元とした施策案の提言を行う。また、福島県内での研究によって確立した手法を国内外の他の地域でも適用可能となるよう一般化を行う。

今年度の研究概要

人口、経済活動等の将来推計や、避難地域の情報等を地域データベースに追加してその拡充を継続する。また、地域統合評価モデルのうち、人口、建物エネルギー需要、農業等に関する要素モデルの開発を進める。新地町等、福島県内の地域においてモデルを適用し、地域の将来シナリオの構築を開始する。

外部との連携

地域統合評価モデルの開発にあたっては名古屋大学、京都大学、みずほ情報総研、三菱総合研究所、エックス都市研究所等の研究機関との連携を図り、各機関において開発されてきた各分野のモデル開発に関する知見・技術、ならびにエネルギー技術や廃棄物処理技術等に関する情報を活用する。また、福島県、新地町、および他の県内自治体との連携・協力の元に進める。

課題代表者

藤田 壮

担当者