- 予算区分
- AA 中核PJ
- 研究課題コード
- 1115AA062
- 開始/終了年度
- 2011~2015年
- キーワード(日本語)
- 戦略的環境アセスメント,自然再生,メコン川,生物多様性,生態系機能
- キーワード(英語)
- strategic environmental assessment, nature restoration, the Mekong River, biological diversity, ecosystem functions
研究概要
日本列島とメコン川流域またその周辺地域はいずれもアジアの代表的な生物多様性ホットスポットとして知られる。本研究では、これらの地域の湿地生態系を対象として広域スケールに対応した戦略的環境アセスメント技術を開発し、それらの技術を用いた河川流域の総合的環境管理に資する研究を行う。
まず重要な湿地生態系を対象に、生物多様性・生態系機能に関する既存情報についてデータベース化を行う。そして上流から中流域にかけての湿地生態系を大きく改変しうるダム開発に着目し、ダム貯水池での底泥における栄養塩等の物質循環機能の定量化、有害藻類発生の機構解明とその予測、有用淡水魚類の回遊生態と食物網構造を解明するための技術開発を行う。また下流域から沿岸域にかけての湿地生態系では、新たな自然再生適地を合理的に抽出するための技術を開発する。
これらの技術を駆使して、ダムが及ぼす湿地生態系への潜在的な影響を評価し、その影響緩和を優先的に行う場所の選定や具体的な手法についての提言を行う。同時に、ダム貯水池での淡水魚の養殖事業の効果、また現在行われている沿岸域での自然再生事業の効果を科学的に検証することで、これらの事業の効果の改善、効率化を図る。
今年度の研究概要
(1) メコン川流域のダム貯水池で行ったモニタリングデータをもとに、底泥・湖水中の栄養塩、一次生産、漁業生産に至る物質循環や藍藻類(特にミクロキスティス)の増殖メカニズムとアオコ発生リスクなどを総合的に評価し、この地域で今後増加が見込まれる貯水池生態系の適切な管理に向けて提言を行う。
(2) 同時に、2つの評価モデル(メタ生態系モデル、陸域統合型モデルNICE)による予測結果に基づき、メコン流域のダム開発がもたらす生態系サービスへの影響を定量的かつ空間的に明らかにする。
(3) ベトナム沿岸のマングローブ湿地における自然再生事業を対象に生物群集・立地環境の変化に着目し、事前事後評価を行う。また、日本国内の沿岸域湿地の津波被害と自然再生を評価する。
外部との連携
Ubon Ratchathani University(Thailand)、Department of Fisheries(Thailand)、National University of Laos、 (独) 国際農林水産業研究センター、マングローブ植林行動計画 (NGO)