- 予算区分
- AQ センター調査研究
- 研究課題コード
- 1115AQ016
- 開始/終了年度
- 2011~2015年
- キーワード(日本語)
- 負の遺産,難循環物質
- キーワード(英語)
- legacy wastes, materials with recycling difficulty
研究概要
石綿やPOPs等に代表される負の遺産廃棄物,または資源の循環利用の障害となりうるブラウン管ガラスのような難循環物質に対し,安全に無害化できる処理技術の開発,また処理技術評価や実処理モニタリングに必要となる計測手法の開発を通じ,負の遺産の適切な処理や資源循環に貢献する.負の遺産となっている不法投棄や不適正処分場に対し、社会に実装できる修復技術システムを提示する。
研究の性格
- 主たるもの:応用科学研究
- 従たるもの:基礎科学研究
全体計画
(1)石綿含有廃棄物の適正管理に関する研究:石綿含有廃棄物に関して,処理施設における曝露評価や繊維除去装置の性能評価実験を行うとともに,非飛散性アスベスト含有建材や再生物に対して飛散モニタリングを行う.また,実態調査と合わせて管理手法を提案する.また石綿の分析に関し,クロスチェックや標準試料の作成等,精度管理手法の検討を行う.
(2)廃POPsの適正処理に関する研究:熱処理プラント等を用いて、ポリ塩化ナフタレンや有機臭素・フッ素化合物等のPOPs及びPOPs候補物質の分解処理実験を行い,処理物の精密化学分析から分解機構や生成物を明らかにしつつ,物質収支の把握を行い、技術の安全性を定量的に評価する.
(3)難循環物質の適正処理に関する研究:ブラウン管や今後発生量が増加する液晶パネル等のガラス素材から、鉛やヒ素等の有害物質を除去する分離技術に関する基礎及び実証的研究を実施する。熱力学的解析及び熱分析による基礎検討結果をもとに、塩化揮発法、還元溶融法及び溶融分相法について実験的検討を行い、これら処理技術の適用可能性を評価する。近い将来長期保管が必要となる余剰水銀の安全な保管方法検討に向け、水銀化合物・合金からの水銀揮発量の測定方法の検討、実測を行い、長期保管におけるリスク評価のための基礎的知見を提供する。
(4)不法投棄・不適正処分場の環境修復技術に関する研究:大型の事案のみではなく、中小規模の事案に対応した不法投棄・不適正処分場に対する環境修復技術研究として、応急対策による修復コストと環境リスク削減効果を評価するとともに、未だ顕在化していない不適正処分場の現場調査法の提案を行う。
今年度の研究概要
石綿含有廃棄物の適正管理に関し,石綿含有建材からの石綿飛散量やその抑制法の実験的検討を行う。廃棄物中の石綿含有物の迅速判定法について現場適用により有効性を評価する他、破砕選別過程での石綿飛散量把握のための調査を行う。廃POPsの適正処理に関し、POPs候補物質である短鎖塩素化パラフィンの分解処理実験を行い,処理物の精密化学分析から分解機構や生成物を明らかにしつつ,物質収支を把握し、技術の安全性を定量的に評価する。難循環物質の適正処理に関し、ブラウン管ガラスからの鉛分離技術について、塩化揮発法の評価及び還元溶融法について基礎的検討を行う。不法投棄・不適正処分場に対する環境修復技術研究として、福島県、埼玉県の不適正処分場を中心とした調査、ならびに被災地や千葉県の堆積・集積廃棄物火災調査と予防を継続する。処分場の法面崩壊事象について調査し,対策方法を検討する。
外部との連携
石綿含有廃棄物の適正管理に関する研究:愛媛大、京大、埼玉県環境科学国際セ
廃POPsの適正処理に関する研究:東京農工大、福岡女子大、民間企業数社
難循環物質の適正処理に関する研究:東北大学、京都大学、鳥取県衛生環境研究所
不法投棄・不適正処分場の環境修復技術に関する研究:埼玉県環境科学国際セ、千葉県環境研究セ、神奈川県環境科学セ、日本工業大学、京都大学、埼玉大学、産業廃棄物処理事業振興財団
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