- 予算区分
- AQ センター調査研究
- 研究課題コード
- 1212AQ012
- 開始/終了年度
- 2012~2012年
- キーワード(日本語)
- 乱流パラメタリゼーション,海洋表層混合層,海洋大循環モデル,LES
- キーワード(英語)
- Turbulence parameterization, Oceanic mixed layer, Ocean general circulation model, LES
研究概要
海洋における乱流混合過程は、大気-海洋間での熱や運動量、酸素、二酸化炭素等の交換や海洋内部の鉛直方向の物質輸送に大きな役割を果たしている。しかしながら、既存の海洋混合層モデルではその効果を適切にパラメータ化できておらず、それを組み込んだ海洋大循環モデルによって再現された海面水温等の変動が観測結果と著しく異なってしまうことが報告されている。本課題は、海洋混合層モデルを抜本的に検証・改良することで、「ミクロな乱流スケールの観点から海洋環境・生態系モデリングの高精度化に貢献する」ことを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:
全体計画
課題代表者はこれまでに Large Eddy Simulation (LES) モデル、海洋混合層モデル、海洋大循環モデルを用いた数値的研究を行ってきた。それらのすべての知見を活用して以下の計画を実施する。
(1) LESモデルを用いた海洋混合層の発達過程に関する数値実験
LESの手法を用いて、海洋混合層の応答に関する詳細な数値実験を行う。台風の通過、日中の加熱、夜間の冷却等の状況を想定した、風速や熱フラックスの大気外力条件、および、温度や塩分等の初期条件を様々に変化させた数値実験を重ね、海洋混合層モデル検証のためのデータベースを作成する。現実の大気外力・初期条件を与えた数値実験を行い、現場観測データとの比較によってLESモデルの有効性を検証する。
(2) 乱流混合パラメタリゼーションの検証・改良
LES実験で得られた結果に基づき、既存の混合層モデル内の様々な乱流パラメータを水温・塩分・流速などの「巨視的」観点のみならず、乱流エネルギー、乱流長さスケールなどの「微視的」観点まで踏み込んで検証し、海洋混合層モデルの高精度化を行う。
(3) 海洋大循環モデルにおける乱流混合パラメタリゼーションのパフォーマンス評価
改良した海洋混合層モデルを海洋大循環モデルに組み込み、東シナ海や日本近海、東京湾等を対象とした海洋環境の広域数値シミュレーションを実施し、そのパフォーマンスを確認する。
今年度の研究概要
課題代表者はこれまでに Large Eddy Simulation (LES) モデル、海洋混合層モデル、海洋大循環モデルを用いた数値的研究を行ってきた。それらのすべての知見を活用して以下の計画を実施する。
(1) LESモデルを用いた海洋混合層の発達過程に関する数値実験
LESの手法を用いて、海洋混合層の応答に関する詳細な数値実験を行う。台風の通過、日中の加熱、夜間の冷却等の状況を想定した、風速や熱フラックスの大気外力条件、および、温度や塩分等の初期条件を様々に変化させた数値実験を重ね、海洋混合層モデル検証のためのデータベースを作成する。現実の大気外力・初期条件を与えた数値実験を行い、現場観測データとの比較によってLESモデルの有効性を検証する。
(2) 乱流混合パラメタリゼーションの検証・改良
LES実験で得られた結果に基づき、既存の混合層モデル内の様々な乱流パラメータを水温・塩分・流速などの「巨視的」観点のみならず、乱流エネルギー、乱流長さスケールなどの「微視的」観点まで踏み込んで検証し、海洋混合層モデルの高精度化を行う。
(3) 海洋大循環モデルにおける乱流混合パラメタリゼーションのパフォーマンス評価
改良した海洋混合層モデルを海洋大循環モデルに組み込み、東シナ海や日本近海、東京湾等を対象とした海洋環境の広域数値シミュレーションを実施し、そのパフォーマンスを確認する。
備考
当課題は研究プログラム III (4)-2, VI 6.2にも関連
- 関連する研究課題
- 23005 : 広域人為インパクトによる東シナ海・日本近海の生態系変調の解明
- 0 : 地域環境研究分野における研究課題
- 24755 : 多媒体での放射性物質実態把握・動態解明
課題代表者
古市 尚基
担当者
-
東 博紀地域環境保全領域