1992年3月30日
富栄養化による内湾生態系への影響評価に関する研究
昭和61年度〜平成2年度
国立環境研究所特別研究報告 SR-9-'92
近年、内湾は周辺都市の発展に伴って生活排水や産業排水などの流入が増大し、その汚濁が急速に進行した。その結果、富栄養化が顕著になり、赤潮発生などの有力な一因となっている。
本報告書は、このような富栄養化が内湾に生息する赤潮生物などの生態系に及ぼす影響を現場海域調査並びに室内実験によって明らかにする目的で実施してきた特別研究の最終報告である。報告書では、マイクロコズムを用いた室内実験並びに播磨灘に設けた隔離生態系実験施設を用いて自然条件における赤潮生物の群集生態学的研究を行うことにより沿岸域での赤潮生物構成種の発生−変遷−消滅等の機構について検討している。特に、現場海域で実測した物理・化学・生物量の諸データを解析することによって海洋メゾコズム内でのベン毛藻(シャットネラ)赤潮の人為的発生及びフラスコ内における赤潮の初期発生など実験的研究の成果が述べられている。
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