科学技術週間に伴う一般公開「春の環境講座」開催報告
【行事報告】
一般公開分科会事務局
4月22日(土)に科学技術週間に伴う一般公開「春の環境講座」を開催いたしました。当日は、時折小雨がぱらつくあいにくの天候にもかかわらず、多くの皆様にご来所いただきました。職員一同心より御礼申し上げます。
今回は、講演会2件「家で使って汚れた水はどこへ行く?(日本で、アジアで)」と「PM2.5って健康に影響しているの?-国環研における研究紹介-」、パネルディスカッション1件「ココが知りたい 地球温暖化の適応策」を開催しました。中には当初の座席が満席になり、急遽増席して対応するほどの盛況ぶりだった企画もあり、来場者の皆様の環境問題への関心の高さが伺えました。「PM2.5」や「地球温暖化」などはマスコミなどで大きく取り上げられることの多いトピックですが、家庭の排水という身近な話題についても、多くの方が関心を持たれている様子で、講演後も活発に質疑応答がなされるなど、会場は熱気に溢れていました。
大山記念ホールでは、パネル展示や、研究内容の展示を行いました。生物・生態系環境研究センターの企画では、今年4月に開設した琵琶湖分室でこれから進めていく湖沼環境研究について、これまで霞ヶ浦等で進められてきた研究の調査道具などを実際に展示しながら、解説しました。また「環境サイエンスカフェ~2050年に向けた低炭素社会の道のりは?」では、温室効果ガス排出量削減に向けてどんな対策を行っていけばよいか、研究者が参加者と一緒になって考える企画を行いました。
有難いことに、国立環境研究所の一般公開を毎年楽しみにしてくださっているファンの方がいらっしゃり、アンケートを見ると、5回、6回と毎年のように足を運ばれる方、中には10回以上!という強者もいらっしゃいました。「研究者の研究に対する情熱や皆に知ってもらいたい思いが感じられた。」「パネルディスカッション『地球温暖化の適応策』は毎回行って欲しい。」「ミジンコの説明、すごく愛にあふれていて楽しかったです!」等々、アンケートへの記入でも、楽しかった、また来たいなどご好評を頂く一方、「子供向けの企画を増やしてほしい」、「もうすこしゆっくり話してほしかった」などのご意見もいただきました。貴重なご意見として、今後の一般公開の企画案の参考とさせていただければと思います。
この一日を通して、研究所の一般公開は、市民の皆様にとって、普段接する機会のない研究者からダイレクトに研究成果の内容や現在考えていることを知ることのできる機会であるのと同時に、研究者にとっても、市民の皆様が普段どのように考えているのか、感じているのかを知ることのできる機会であり、貴重な学びと対話の機会なのだと、実感しました。これからも、環境研究の成果を市民の皆様にわかりやすく伝え、社会に還元していけるよう努めてまいります。

