国立環境研究所「夏の大公開」報告
研究所行事紹介
企画・広報室,総務部総務課
国立環境研究所の「夏の大公開」が,2004年7月24日(土)に行われ,記録的な猛暑にもかかわらず,夏休みを迎えた小学生や家族連れなどを中心に大入り・大盛況となりました。入場者数1,703名は昨年の5倍で,用意した資料や記念グッズが昼過ぎにはなくなってしまうほどでした。休日出勤して対応した職員は約300人,この日は,研究所設立以来,敷地内にもっとも多くの人間が集まった記念すべき日となったかもしれません。
今回の公開では,従来6月の開催時期を初めて夏休み期間に変更しました。また,西岡理事ら職員による環境講座3件,環境相談コーナー,ガイド・案内付き所内循環バス,各種体験型プログラム,リユースカップによる湯茶コーナーの設置,エコグッズの配布,職員著者本のプレゼントなど,新しい企画・アイデアを導入しました。さらにポスターや市内の全小中学生に新企画のチラシを配布した大キャンペーンなども,公開への入場者増に大きく貢献したようです。
小学生の関心が高いクワガタや生活に密着したゴミ問題の講義,普段はあまり見ることができない水に棲む生き物の公開など,研究紹介も工夫され,各研究施設とも「今年は違うぞ」という気合いが入っていました。
たまたま公開日が重なった周辺研究所でも,新聞全面広告,駅への送迎バスや一般道路への誘導看板など,力の入ったキャンペーンが展開されていましたが,私たちの研究所では,数々の新企画を導入しつつも,準備はすべて職員の手作りによるものでした。例えば所内循環バスの案内ガイドにしても,総務部職員がナレーション原稿起草から,巡回コースの設定,リハーサルの実施までプロ顔負けの段取りで臨むなど,鮮やかなチームプレーを見せました。当日,バスが満席となり,バス停に人が並ぶなど,これまで想像もできないような盛況となって,その努力も報われました。
来場者アンケートにも1,063名(大人510人,子供553人)の方々から回答をいただき,それによれば94%の大人からは「大変興味深かった」「興味深かった」,68%の子供からは「すごくおもしろい」と高い評価をいただきました。職員手作りの雰囲気もまた来場者の好感を得られたのではないでしょうか。資料が不足したなど改善すべき点も見つかりましたが,まずは成功と言って良いでしょう。
今回の「夏の大公開」を通じて,研究所の活動に対する関心の高さにあらためて驚きましたが,公的な環境研究を使命とする研究所として,これからもさらに多くの方々に研究所の活動を知って頂き,理解を得るための努力を継続する必要性を痛感しました。