編集後記
独立行政法人化を機にニュースの表紙の体裁も改めた.本号の表紙は本研究所を俯瞰する航空写真である.遠景に筑波山が見えている。
ところで,標高876メートルの筑波山は,深田久弥氏が「日本百名山」で取り上げた百座の山のなかで一番低い。そもそも百名山中,1500メートルに満たないのは四座のみである。高さではまったくいばれない筑波山が選ばれた理由は,ひとつには人とのかかわりの歴史の長さであり,ひとつには平野のただ中にそびえる山容である。
常陸風土記や万葉集にその名が見えるというのはよい。しかし,周囲に高い山がないからという理由で誉められても,山としては素直には喜べまい。登山道をじっくりとたどれば,なかなか味わいのある山なのに。
国立環境研究所もまた,環境研究を専門とする国レベルの研究機関がほかにないからと評価されるのではなく,研究の内容を知っていただいて評価されたい。本ニュースがその一助となることを願う。
(T.A.)
目次
- 独立行政法人国立環境研究所発足にあたって
- 独立行政法人国立環境研究所としての新たな出発
- 地球温暖化研究プロジェクトのめざすもの重点特別研究プロジェクト:地球温暖化の影響評価と対策効果プロジェクト
- 観測とモデルから成層圏オゾン層変動を解明する重点特別研究プロジェクト:成層圏オゾン層変動のモニタリングと機構解明プロジェクト
- 内分泌かく乱化学物質・ダイオキシンのリスク評価と管理重点特別研究プロジェクト:内分泌かく乱化学物質及びダイオキシン類のリスク評価と管理プロジェクト
- 「生物多様性の減少機構と保全プロジェクト」が目指すもの重点特別研究プロジェクト:生物多様性の減少機構の解明と保全プロジェクト
- 東アジアの流域圏における生態系機能のモデル化と持続可能な環境管理に関する研究重点特別研究プロジェクト:東アジア流域圏における生態系機能のモデル化と持続可能な環境管理プロジェクト
- PM2.5・DEP研究プロジェクトの背景,目的と研究課題重点特別研究プロジェクト:大気中微小粒子状物質・ディーゼル排気粒子等の大気中粒子状物質の動態解明と影響評価プロジェクト
- 循環型社会形成推進・廃棄物研究センターの今後循環型社会形成推進・廃棄物研究センター
- 化学物質環境リスク研究センターが果たす役割化学物質環境リスク研究センター
- 地球環境モニタリングのCOEと地球環境保全の世論形成を目指す地球環境研究センター
- 環境情報センターの業務展望環境情報センター
- 環境研究基盤技術ラボラトリー環境研究基盤技術ラボラトリー
- 新刊紹介
- 表彰・人事異動