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 今年は,阪神淡路大地震などの自然災害,オウム事件や地下核実験再開など,私達を取り巻く社会環境に潜む脆弱性を痛感させられた一年でした。

 さて本号では,環境研究を一層強力に押し進めるため建設が進められてきた研究第III棟の竣工を記載することができました。また,化学物質による生態系へのリスクを評価する特別研究,小型レーザーによる局所的な大気のモニタリング手法の開発など,環境の質をより身近な指標を用いて監視する研究についても掲載しています。環境研究に携わる者として,私達の研究が良質な環境の維持に役立つことを願っています。

 晩秋の日差し受けて,黄金色に輝いていたプラタナスの並木もいつしか落葉し,カラカラと褐色の落葉を鳴らす風は,冬の到来を告げています。樹木が再び緑に装う頃には,世相に明るさが戻ってきて欲しいものです。(K.M.)