編集後記
巻を改めるに際して,ニュースのスタイルもかなり変えました。外見がどのくらい変わったか,ご覧になっていくつまで指摘できるでしょうか。内容もかなり柔らかくして,親しみやすくしていくつもりでいます。それでも役所の出版物だから,そうそう過激に柔らかくというわけにはいかないそうです。
この号では,随想を当所の共同研究員でもあるワイスバードさんにお願いしました。その控え目な筆は,わが国の研究者にとって十分耳の痛い話になっているのではないでしょうか。他の研究者の仕事に対する批評の仕方は,実はわが国でも学問分野によって随分違います。それは,いろんな学会を渡り歩いた経験からも確かなことです。日本にだって,まるで機関銃の撃ち合いのように手厳しい議論を交わす,それでいて一向に雰囲気が悪くならない学会もあるのです。当所の中でも部が違えば,議論の仕方は相当に違うのではないでしょうか。それにしても,一般的な傾向としてはワイスバードさんの言うことは当たっていて,私たち日本の研究者は,あるいは日本人一般も,批評をすること,それを聞くこと,いやそもそも議論をすることに慣れてはいないようです。このニュースが研究者の間の率直な意見の交換の場としても役立っていくといいと思っています。( K.O.)
目次
- 環境のリスク分析−リスク管理と危機管理巻頭言
- 環境と健康の問題について思うこと論評
- 第10回全国環境・公害研究所交流シンポジウムその他の報告
- 「第14回地方公害研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告
- 水環境における化学物質の長期暴露による相乗的生態影響に関する研究プロジェクト研究の紹介
- 植物は「形」で勝負する − 樹形形成モデルの開発研究ノート
- コンピュータの中の宇宙測定研究ノート
- 歯に衣着せずずいそう
- “Seasonal and diurnal variation of isoprene and its reaction products in semi-rural area” (大気中イソプレンとその反応生成物の季節変化と日変化) Yoko Yokouchi : Atmospheric Environment, 28, 16, 2651-2658 (1994)論文紹介
- 人事異動