海の呼吸 - 北太平洋海洋表層のCO2吸収に関する研究
環境儀 NO.6

海洋のCO2吸収・放出メカニズムを解明することは地球温暖化の推移を予測する上できわめて重要な役割を果たします。
CO2の吸収源として,森林と海洋が注目されています。森林と海洋の炭素循環を詳細に評価するにはそれぞれに難しさがあります。海洋の難しさはその広さであり,広大な海洋をどのように観測するかがまず最初に突き当たる問題点です。
国立環境研究所では,平成2年の地球環境研究センター発足の頃から,海域のCO2吸収量観測を検討しました。本格的な観測を平成7年から開始するとともに,平成8〜12年に「北太平洋の海洋表層過程による二酸化炭素の吸収と生物生産に関する研究」を行い,取得した豊富なデータの解析を通して,北太平洋海域がCO2の一大吸収源になっていることを明らかにしました。
本号ではこの中から,北太平洋での貨物船を使ったCO2測定の実際と観測の成果などを紹介します。