ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

永久凍土Relict Carbon Problemへの挑戦:14C年代決定法の新展開(令和 7年度)
Challenging the Relict Carbon Problem in Permafrost: Advances in Radiocarbon (¹⁴C) Dating Techniques

研究課題コード
2527CD015
開始/終了年度
2025~2027年
キーワード(日本語)
永久凍土,アラスカ北極圏,全炭酸,アイスウェッジ,北極温暖化
キーワード(英語)
permafrost,Alaskan Arctic,DIC,ice wedge,Warming Arctic

研究概要

急激な環境破壊・異常気象が連鎖的に起きるティッピングカスケード現象へと向かう転換点が到来し、地球規模の環境変動が新たなフェーズに入った可能性があるとされる。その結果、永久凍土の大規模な融解などにより、北極温暖化の増幅が加速する可能性がある。これまで年代論の不確実性から、永久凍土は気温などの古環境指標を得るための対象としてほとんど利用されてこなかった。永久凍土の氷が形成された年代がわかれば、その時代の夏と冬の気温を別々に復元でき、また融解していた年代がわかれば、温暖化が進行したタイミングを知ることができる。これらの情報は、気候変動研究において極めて重要なアーカイブとなり、新たな年代指標として脚光を浴びることは確実である。申請者らは、北極各地の永久凍土の様々な炭素成分の年代測定を進める中で、偶然にも、凍土のDIC(全炭酸)成分が、最終凍結年代を記録している可能性(本研究仮説)を発見した。本研究では、最終凍結年代が示す環境情報を明らかにするため、様々な炭素成分の年代データと物理化学データの解析を行い、新たな凍土気候学研究における年代指標を確立することを目的とする。本研究によって、長い間、凍土・雪氷学において未解決であった年代論問題を大きく前進させることから、北極気候変動研究のゲームチェンジャーとなることが期待される。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

急激な環境破壊・異常気象が連鎖的に起きるティッピングカスケード現象へと向かう転換点が到来し、地球規模の環境変動が新たなフェーズに入った可能性があるとされる。その結果、永久凍土の大規模な融解などにより、北極温暖化の増幅が加速する可能性がある。これまで年代論の不確実性から、永久凍土は気温などの古環境指標を得るための対象としてほとんど利用されてこなかった。永久凍土の氷が形成された年代がわかれば、その時代の夏と冬の気温を別々に復元でき、また融解していた年代がわかれば、温暖化が進行したタイミングを知ることができる。これらの情報は、気候変動研究において極めて重要なアーカイブとなり、新たな年代指標として脚光を浴びることは確実である。申請者らは、北極各地の永久凍土の様々な炭素成分の年代測定を進める中で、偶然にも、凍土のDIC(全炭酸)成分が、最終凍結年代を記録している可能性(本研究仮説)を発見した。本研究では、最終凍結年代が示す環境情報を明らかにするため、様々な炭素成分の年代データと物理化学データの解析を行い、新たな凍土気候学研究における年代指標を確立することを目的とする。本研究によって、長い間、凍土・雪氷学において未解決であった年代論問題を大きく前進させることから、北極気候変動研究のゲームチェンジャーとなることが期待される。

今年度の研究概要

アラスカ北極地域の永久凍土、アイスウェッジアイスコアの炭素指標物質の年代測定に向けた試料前処理装置の開発を行う。

外部との連携

北海道大学、アラスカ大学

課題代表者

内田 昌男

  • 地球システム領域
    物質循環観測研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(農学)
  • 化学,地学,理学
portrait