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気候変動にともなう海洋熱塩循環の変容〜ミニチュアオーシャン日本海からのアプローチ(令和 7年度)
Transformation of thermohaline circulation with climate change - Approach from the Japan Sea as a "miniature ocean"

研究課題コード
2528CD003
開始/終了年度
2025~2028年
キーワード(日本語)
日本海,熱塩循環,気候変動
キーワード(英語)
Japan Sea,thermohaline circulation, climate change

研究概要

海洋熱塩循環は気候システムの重要な要素であるにも関わらず、その非線形性と時空間スケールの大きさ故に、大洋規模でのモニタリングは困難である。そこで本研究では、独自の熱塩循環機構をもつ日本海をモデル海域として、気候変動によって何が変化し、その結果として海がどのように変容していくのかを明らかにする。日本海では前世紀末から今世紀初頭にかけて、大規模かつ組織的な海洋観測が行われてきた。本研究ではこれらを意識したrevisit観測を実施する。係留観測と化学トレーサー分析を組み合わせた現場観測に加え、日本海全域で得られた歴史的船舶観測データと近年のArgoフロートデータの比較,数値モデル解析を通して、(1)前世紀末から現在までの亜表層から底層に至る海洋構造の変化、(2)直接測流に基づく深層循環の長期変動とそのメカニズム、(3)化学トレーサーを利用した物質分布と海水混合の長期変動、を明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

化学トレーサーを利用した物質分布と海水混合の長期変動を分担し、フロン類、炭素14、トリチウムなどの高精度分析を利用して、化学海洋学的視点から気候変動にともなう日本海における海洋熱塩循環の変容を解析するとともに、物理場の観測結果との整合性を議論する。

今年度の研究概要

長崎大学水産学部附属練習船「長崎丸」及び北海道大学水産学部附属練習船「おしょろ丸」による海洋観測に参加し、日本海盆及び大和海盆に設けた観測定点の海面から海底直上において、各種化学成分分析に資するための鉛直多層採水を実施する。一部試料については前処理及び精密分析も開始する。

外部との連携

研究代表者:九州大学・千手智晴准教授

課題代表者

荒巻 能史

  • 地球システム領域
    物質循環観測研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(地球環境科学)
  • 化学,地学,水産学
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